『米国の債務増加が問題になり始めるのはいつか』のカバーアート

米国の債務増加が問題になり始めるのはいつか

米国の債務増加が問題になり始めるのはいつか

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10月19日まで。※適用条件あり
弊社債券リサーチ・グローバル責任者のアンドリュー・シーツが、金利上昇と米国債務の増加が、いつ、どのように単なる抽象的な懸念では済まなくなるのかを解説します。このエピソードを英語で聴く。トランスクリプト 「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。本日のエピソードでは、弊社債券リサーチ・グローバル責任者、アンドリュー・シーツが、金利の上昇と債務の増加が、実際にどの時点から問題になるのかを解説します。このエピソードは8月26日にロンドンにて収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。米国は、建国後約240年間で、およそ20兆ドルの連邦債務を積み上げました。そして、直近のわずか10年間で、さらに20兆ドルの債務を積み増しました。投資家にとっての問題は、第一に、この債務負担がいつ経済活動にブレーキをかけ始めるのか、さらに悪いケースとしては、現在の比較的落ち着いた状況を揺るがすようなストレスをいつ生み出し始めるのか、ということです。では、1つ目の問いから見ていきましょう。債務が経済活動に影響が及ぶまでのハードルは、かなり高いようです。AIをめぐる活発な動きがあるにもかかわらず、米国企業の債務は、経済全体に占める比率で見ると、この10年間ほぼ変わっておらず、実際、パンデミック前の水準を下回っています。米国の家計部門のバランスシートは、さらに健全です。家計債務の対GDP比は、コロナ禍前を下回り、2000年の水準も下回っています。しかも、これだけでは家計の強さを十分に表していない可能性があります。債務の多くは、過去の低金利局面の低い住宅ローン金利で固定されている一方、バランスシートの反対側にある家計資産は大幅に増え、過去最高水準に達しているためです。金利とエネルギー価格が上昇しているにもかかわらず、今年、消費者と企業がともに予想以上の底堅さを保ってきた理由の一端は、ここにあるのかもしれません。公的部門と民間部門のバランスシートに見られるこうした傾向の違いは、米国に限ったものではありません。欧州でも政府債務が増える一方、それ以上に民間部門の債務削減が進んでいます。日本では公的部門の借り入れが増える一方、民間部門のレバレッジはかなり安定しています。経済の公的部門と民間部門のこうした違いには、政策上の選択がある程度反映されています。政府は、課税と歳出のバランスをどう取るかを決めます。そして米国に限らず、多くの国がこの10年間に減税を進める一方、公的部門の借り入れ増加を増やしてきました。そうした選択を踏まえれば、民間部門の財政状態に比べて公的部門の財政状態が悪化することは、特に驚くようなことではありません。健全なバランスシートのおかげで、米国の家計と企業が金利上昇の影響を受けにくくなっているとすれば、ストレスの兆候はどこに表れるのでしょうか。これほど多額の債務があるにもかかわらず、米国債市場は今のところ、実際にはかなり落ち着いています。米国のインフレ期待は年初来でほぼ変わっておらず、債券市場の予想変動率も歴史的な低水準にあります。実際、米財務省が最近、債券市場に介入したことが投資家にとって大きな驚きとなった理由の一つは、こうした通常のストレス指標が見られなかったことです。むしろ、利回り上昇が市場により大きな影響を及ぼし始める時点は、別の要因、つまり資産配分に左右される可能性があります。現在、30年物米国債の利回りは、その期間の予想インフレ率をおよそ3%上回っています。米国の長期投資適格社債の利回りも、再び6%を超えています。そのため、利回り上昇がいつ問題になり始めるのかという問いは、企業がいつ借り入れをやめるのか、あるいは消費者がいつ支出を控えるのかということよりも、投資家がいつ、株式より債券のほうが割安だと判断するのか、ということに関係しているのかもしれません。今のところ、弊社のリサーチ...
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