『活きるの間|高校生の時に見たかった。だから』のカバーアート

活きるの間|高校生の時に見たかった。だから

活きるの間|高校生の時に見たかった。だから

無料で聴く

ポッドキャストの詳細を見る

【Amazonプライム会員限定】今ならプレミアムプランが4か月 月額99円。

10月19日まで。※適用条件あり
あなたは、「早く大人になりたい」と思ったことがありますか。私は、ありませんでした。これっぽっちも。高校生だった頃の私は、将来に大きな希望を持っていたわけでも、「大人って楽しそう」「早くそっち側に行きたい」と思っていたわけでもありません。むしろ、大人というものに、あまり魅力を感じていませんでした。そんな私が今度、高校3年生の前で講演をします。実はこれ、私にとって、ひとつの夢でした。高校3年生。もうすぐ「学校」という世界を出て、進学する人もいる。就職する人もいる。それぞれが、自分の人生を少しずつ自分で選び始める時期です。そんな彼らの前で、私は何を話したいんだろう。進路の話?仕事の話?夢を持て、という話?考えてみたけれど、どれもちょっと違いました。私が伝えたいのは、「大人って、案外おもしろいぞ」ということなのかもしれません。私は獣医師になりました。小動物臨床を辞めました。結婚して畜産の世界に入りました。牧場で獣医師としてキャリアを積むというよりは家に入ったという意味合いが強いです。家族から結構反対されました。周りからも。いま、牛を診て、牛を育て、牛を見送り、自分で育てた牛を食べています。狩猟にも行きました。絵本も書きました。学校で講演するようにもなりました。そして今は、50代でTEDに出たい、なんて言っています。高校生の私には、ひとつも想像できなかった人生です。だから私は、高校生に「夢を持ちなさい」と言いに行くつもりはありません。夢なんてない子もいる。やりたいことが分からない子もいる。18歳で、自分の人生の正解なんて分からなくてもいい。人生は、18歳で選んだ進路の答え合わせではないと思うからです。ただ、ガチャは引かなきゃ、何も出ない。やってみる。違った。失敗した。向いてなかった。それだって、自分を知るための大事な情報です。人を動かすものだって、キラキラした夢だけじゃありません。「あんな人になりたい」という憧れかもしれない。「負けたくない」という悔しさかもしれない。劣等感だって、人を前へ進ませる燃料になることがあります。立派な理由じゃなくてもいい。自分は何に心が動く人間なのか。まず、それを知ってほしい。ただし。ここで一つ、絶対に勘違いしてほしくないことがあります。私は今、人生は楽しいと思っています。でも、人生は楽しい。だからといって、人生はラクではありません。好きなことだけやって、嫌なことは全部やらなくていい。自分らしくさえいれば、人生は勝手に楽しくなる。私は、そんな話をするつもりはありません。人は一人で生きているわけではありません。協調性もいる。最低限の一般常識もいる。周りへの配慮や気配りもいる。やりたくないことをやらなければならない日もある。我慢することもある。ときには、自分の都合を引っ込めたり、誰かのために自分の時間や労力を差し出したりすることもある。勉強もする。自分を磨く。できなかったことを、できるようにする。何もしないまま、「人生楽しめまっせ切符」が配られるわけじゃない。私はむしろ、自由に生きたいなら、自由に生きられる自分をつくらなきゃいけないと思っています。ガチャを引く。外れる。考える。勉強する。人とちゃんと付き合う。我慢する。また引く。そうしているうちに、自分が引けるガチャそのものが増えていく。選べるものが増えていく。それもまた、自由なんじゃないかと思います。そして、高校生への講演を考えているうちに、もう一つ思いました。私たち大人は、子どもには簡単に言います。「夢を持ちなさい」「勉強しなさい」「将来のことをちゃんと考えなさい」じゃあ、大人に聞いたらどうでしょう。「あなたは、なんで働いているんですか?」「あなたの今の夢は何ですか?」私たちは、ちゃんと答えられるでしょうか。高校生だけが、これからの人生を考えなくちゃいけないわけじゃない。40歳でも、50歳でも、60歳でも、「これから、どう生きる?」と考えていい。だから私は、高校生に人生の正解を教えたいわけではありません。私の生き方を真似...
adbl_web_anon_alc_button_suppression_t1
まだレビューはありません