エピソード

  • 実説 城谷怪談「肝試し」
    2023/04/06
    しおりさんが小学校5年生の時の事。自然学校という野外学習で1週間山の中にあるログハウスにクラスで宿泊するイベントがあった。 川遊びや飯盒炊飯など楽しい時間はあっという間に流れて最終日の夜は先生や父兄総出の肝試しで締めくくりとなった。1班男女6人混合のグループで真っ暗な1本道を懐中電灯一つにビデオカメラ1台を渡されて行って来いするのだが、出発前に先生がありもしないお化けの話をするのでドキドキしながらスリル満点だった。 ところがありもしないことが現実に起きてしまうとは夢思いもしなかったのである。
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    29 分
  • 実説 城谷怪談「カーブミラー」
    2023/04/06
    亜紀さんという女性の体験である。その時亜紀さんは中学三年生だった。 授業が終わって帰宅し、自室で寛いでいると勢いよく玄関が空いてドタバタとあわただしい足音が部屋に向かってくる。血相を変えて入ってきたのは二つ年下の妹だ。 妹は先に帰宅し友達と遊びに行ってくると出かけていたはずだったから、どうしたのかと理由を尋ねると、学校で有名な噂になっていた霊が写るカーブミラーを見に行ったのだと打ち明けられた。 そしてそれは噂ではない。確かに妹と一緒に行った友達は見たという。いや、見たばかりではない、連れてきてしまったのだと。
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    26 分
  • 実説 城谷怪談「顔のない人」
    2023/04/06
    ミホさんは中学生になってから所謂ヤンキーっぽい友達ができた。K子さんという女の子だった。 それまでおとなしい友人しかいなかったミホさんにとって刺激的であり、思い切り自分をさらけ出せる大切な相手だった。喧嘩したり大声で笑いあったり……。 そんな二人には絵を描くことが好きな共通点があり、同じころ美術の授業をするために彼女たちの学校に講師の先生がやってきた。ほかの先生たちと違い個性的で二人はすっかりファンになってしまい美術部まで立ち上がったのだが、1年ほど経ってこの先生が海外に勉強に行くため学校をやめることに。 そこで逆恨みした二人は先生を驚かせようとある計画を実行することにしたのだが……。
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    31 分
  • 実説 城谷怪談「冷たい気配」
    2023/04/06
    10年ほど前、沖縄在住のあゆみさんは、長くアルバイトをしていた勤め先からの勧めで その会社の正社員になった。 アルバイト時代にはなかった福岡にある月々の本社への出張が新たな仕事に加わったそうである。会社は長くいて沖縄のメンバーや社風になじみはあるが、初めての出張はちょっとした旅行気分になったのを覚えている。 宿泊のホテルでは二人一組で、あゆみさんは周囲から疎まれている先輩女子社員と同部屋だった。 特に話が弾むわけでもなく宿に着いたが、どうやら普段利用しているホテルが空いておらず、めったに使わないホテルだったのだそうだ。とても陰気な暗い感じのする……。
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    33 分
  • 実説 城谷怪談「横たわる男」
    2023/04/06
    島崎さんという40代の女性が、中学生だった13歳の時の時の事。 当時島崎さんは部活動では合唱部に所属していたそうで、この合唱部が非常に上下関係の厳しいところだった。放課後の活動が終わると先輩たちを見送り一年生は部室の片づけや、掃除をしてからでなければ帰れなかったそうである。 最初こそ慣れない環境に戸惑う1年生たちだったが、3学期くらいになると慣れたもので、掃除の後に残っている仲間同士でおしゃべりしたりする余裕も出てきた。 その日もおしゃべりに夢中になっているうちに夕方の五時を過ぎそろそろ帰らねばと教室を出た。しかし通っていた学校は、夕方五時を過ぎると教室がある棟の階段の昇降口が閉鎖されてしまい、スムーズに玄関に抜けられない決まりになっていた。 唯一職員室のある別棟に繋がる階段だけが開いている。仕方なくその昇降口を目指して暗い廊下を数人の友達と歩いて行ったのだが……。
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    24 分
  • 実説 城谷怪談「やかましい部屋」
    2023/04/06
    イチさんという札幌在住の女性の体験である。今から二十年近く前に双子の姉と二人暮らしをしたアパートでの出来事は今でも強烈に記憶に残っているそうだ。 当時専門学校生だったイチさんは姉と二人で不動産屋を訪ね希望を伝えたうえで何件かめぼしい物件を内覧に行った。その中で二人同時にピンと来たのは駅からも遠く、古さのためにエレベーターの備えもない、またガスストーブというアパートの4階の部屋だった。どう考えても悪条件んばかりというのに二人ともその部屋以外考えられなくなり即決で引っ越してくることになった。 最初の異変は金縛りだったという。やがて、金縛りだけにとどまらず、誰か訪ねてきたわけでもないのに玄関のドアノブを激しくガチャガチャされたり、電化製品が壊れたりと、怪現象は日増しにエスカレートしていくのだった。
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    37 分
  • 実説 城谷怪談「執念」
    2023/04/06
    くに子さんが自身の霊感に自覚を持ち始めたのはまだ幼稚園に通う子供のころだそうだ。 周りの人たちには見えない何かや声が自分には見えたり聞こえたりする。自然にあまり他人はその事実を言わないほうが良いと思いながら中学生になった時、彼女の曾祖母が亡くなった。 実は認知症が進み何年も前から精神病院内にあるお年寄りばかりが集まる大部屋に入院していたそうで、一度お見舞いに行ったことがあった。暴れるためか曾祖母は四肢をベッドの柵に結わえ付けられており、病院着の浴衣の前はあられもなくはだけていた。 認知症と言えどもあんまり可哀そうで浴衣の前をなおしてあげようと手を伸ばすと、曾祖母は自分を縛り付けたのがくに子さんだと勘違いしてか大暴れした挙句「許さないからな!殺してやる!」と叫ぶのであった。
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    41 分
  • 実説 城谷怪談「共通点」
    2023/04/06
    七里香さんという女性が大学一年生の時にアルバイトをしていた居酒屋さんは、駅そばの繁盛店だった。 1階に居酒屋、2階にガールズバー、3階は宴会専用の座敷というビル1棟同じ経営者が展開している店で、七里香さんは1階と3階を行ったり来たりで奮闘していたそうだ。この店の1階・3階では頻繁に怪現象が起きたり、霊の目撃談が後を絶たなかった。 古くから勤めている多恵さんという女性従業員の話によると七里香さんたちがよく見るのはかつて3階で首つり自殺をした元従業員の女性なのだそうだが、その女性以外の巨漢の男の霊もいて、この男性の霊が何者かをのちに知ることになった時、七里香さんたちは思いもよらぬ連鎖というか、共通点に肝を冷やすことになった。
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    36 分