『墨つぼの孫八』のカバーアート

墨つぼの孫八

鬼平犯科帳より

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墨つぼの孫八

著者： 池波 正太郎
ナレーター： 三好 翼
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このコンテンツについて

 まだ夜も明けきらぬころに相生町四丁目の戸をたたいたのは、なんと長谷川平蔵であった。昨夜の着流し姿のままで「先ず、飯だ」腹の皮が背中にくっつきそうだよとこぼしながらも一気に平蔵が語るのを聞いて、大滝の五郎蔵・おまさ・舟形の宗平はそろって目を丸くした。「そ、それじゃあ何でございますか、昨夜、孫八の盗人宿へ…？」「おお、泊まった」　　監督/今井直人・編集/三好達也©ことのは出版 歴史小説
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淡々と語られる小説に、池波正太郎氏の味わいある、人の人生を感じます。今回は主人公の墨壺殿、次々に家族に逝かれ、きっと自分の存在が死神を呼ぶと思い込む事。実は自分にも、また多くの知人にも当てはまる悲しみの行き場。語り当てられたような気がして、それこそ背中が冷たくなりました。本を読む時とは違う。また、ドラマ様にしたものとは違う「読み聞かせ」だから感じた底の深さ。ナレーターの読みの力でもあると感じ入ります。

「読み聞かせ」だから感じた小説の深さ

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