牢屋敷の首打役を務める別所龍玄二十二歳。介錯人・別所一門の名を背負い、切腹する侍の介錯を頼まれることもある。小柄で物静かな姿は童子のようでありながら、その介錯を知る者の間では凄腕と囁かれる。

例繰方与力の平手又兵衛は、南町奉行所内で「はぐれ」と呼ばれる変わり者。判例をすべて諳んじられる驚異の記憶力を持つが、厄介事には無関心。そんな又兵衛が奉行所へ

北町奉行所の隠密廻り方同心、萬七蔵は、目的遂行のためには手段を選ばぬやり方から、「夜叉萬」と呼ばれ密かに恐れられていた。脂粉の香りを残し去ってゆく辻斬りの探索の過程で七蔵が見た卑劣な真実とは

将軍家毒味役矢背蔵人介。将軍の毒味をする御膳奉行の役目の一方、幕府に巣食う悪を裁く裏の顔を持つ。御膳所など各所に賄賂を撒き、幕府役人を接待漬けにして御用達に成り上がった商人を成敗した蔵人介は、

尾張徳川家の北隣、美濃北山三万石のあるじ百目鬼一郎太の楽しみは月に一度の賭場通いだ。九歳のみぎり、江戸下屋敷の中間部屋で博打を見聞して以来二十年、負けたことがない。

大坂一と言われる唐物問屋淡海屋七右衛門の孫である一夜は、突然現れた柳生家の者に、大名に格上げされたばかりの御家を救えと、無理やりに召し出されてしまった！？　大人気の旗手が描く、

一俵でも禄高が減れば旗本に格下げになる、ぎりぎり一万石の大名家に婿として入った十七歳の若者が、失敗を繰り返しながらも奮闘し、家臣や領民と徐々に心を繋げて藩政を立て直してゆく。待望の新シリーズ！

200万部ヒットシリーズの超人気シリーズ「鬼役」の原点シリーズが開幕!――修羅の道を進まんとするならば、呵責無く殺人刀をふるう覚悟を決めねばならぬ。

表の顔は腕の良い仕立職人、裏の顔は達人に仕込まれた剣術で悪を成敗する「地獄への案内人」。仕立屋お竜の活躍を描く痛快時代小説開幕！

辻斬りで母を亡くし、上絵師の父も失意のうちに死んだ。律は、幼い弟のためにも、父の跡を継ぎ、布に家紋や絵を描く上絵師としての独り立ちを目指していた。