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きりぎりす
- ナレーター: 大島 昭彦
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あらすじ・解説
茶目っ気があり、中学校では友人を笑わせては先生に叱られることも多かったそうです。
そしてこの頃から文学作品に親しむようになり、友人らと同人誌「蜃気楼」を創刊、太宰自身も作品を発表しました。
そんな彼が、ノートに何度も名前を書いたり講演会に足を運んだり、格好を真似て写真を撮ったりと深く愛好していた作家に芥川龍之介がいます。
その芥川の死に強い衝撃を受けたことがきっかけで、学業を投げ出し悪遊びをするようになりました。
それから太宰の姿は、今までとは想像もつかないような変貌を遂げていきます。
感受性が強く情緒不安定で、突拍子もない行動を起こし、故に波乱万丈な人生となります。
そうした彼の資質や様々な経験から生み出された小説はとても人間くさく、今でも読む人々を魅了しています。
<作品冒頭>
おわかれ致します。 あなたは、嘘ばかりついていました。
私にも、いけない所が、あるのかも知れません。
けれども、私は、私のどこが、いけないのか、わからないの。
私も、もう二十四です。
このとしになっては、どこがいけないと言われても、私には、もう直す事が出来ません。
いちど死んで、キリスト様のように復活でもしない事には、なおりません。
自分から死ぬという事は、一ばんの罪悪のような気も致しますから、私は、あなたと、おわかれして私の正しいと思う生きかたで、しばらく生きて努めてみたいと思います。
私には、あなたが、こわいのです。
きっと、この世では、あなたの生きかたのほうが正しいのかも知れません。
けれども、私には、それでは、とても生きて行けそうもありません。
私が、あなたのところへ参りましてから、もう五年になります。
十九の春に見合いをして、それからすぐに、私は、ほとんど身一つで、あなたのところへ参りました。
今だから申しますが、父も、母も、この結婚には、ひどく反対だったのでございます。
弟も、あれは、大学へはいったばかりの頃でありましたが、姉さん、大丈夫かい? 等と、ませた事を言って、不機嫌な様子を見せていました。
あなたが、いやがるだろうと思いましたから、きょうまで黙って居りましたが、あの頃、私には他に二つ、縁談がございました……。
太宰治(だざい・おさむ)
津軽の大地主の六男として生まれる。共産主義運動から脱落して遺書のつもりで書いた第一創作集のタイトルは「晩年」(昭和11年)という。この時、太宰は27歳だった。その後太平洋戦争に向う時期から戦争末期までの困難な間も妥協を許さない創作活動を続けた数少ない作家の一人である。戦後「斜陽」(昭和22年)は大きな反響を呼び、若い読者をひきつけた。
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- がんちゃん
- 2022/10/14
太宰は乙女なんだな。
女性視点の話がホントに上手い。心の中の独白、夫や世間に葛藤する、いや、嫉妬なのかな?
面白いです。
問題が発生しました。数分後にもう一度お試しください。
ありがとうございました。
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- tkhsh
- 2022/10/12
妻の視点で語られる夫の本質
何もかも分かっていながら、その全てがつまらないから黙っているのだと思っていたのに、実際は何も知らなかったから無口だったんだ、と知られる描写がリアルで刺さりました。
太宰治の作品は、自戒を促されるものが多くて好きです。
問題が発生しました。数分後にもう一度お試しください。
ありがとうございました。
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- おいてきぼりわんこ
- 2022/09/01
色々な解釈があるみたいだけど…
売れっ子画家になって、変わっていく夫に失望し、離れていく妻の心が語られています。
貧しく慎ましやかな生活に幸せを感じていた妻。
夫との気持ちの差を素晴らしい朗読で表現しています。
問題が発生しました。数分後にもう一度お試しください。
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- 匿名
- 2022/10/23
名声で人が変わることはよくあるが
富や地位を手に入れると人は変わるというが、いつまでも貧乏でいいということでもない思う。主人公の「私」もどこか清貧に酔ってるところもある。必ずしも主人公の言うことが、すべて正しいとも限らないですよね。当然、太宰もそのつもりで書いていると思いますが。
問題が発生しました。数分後にもう一度お試しください。
ありがとうございました。
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ストーリー
- Amazon カスタマー
- 2022/08/11
心地よい声
滑らかで聴いていて気持ちが良く、さらさらと流れる小川のようです。
とても好きなナレーションです。
問題が発生しました。数分後にもう一度お試しください。
ありがとうございました。
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ナレーション
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ストーリー
- hana
- 2022/10/20
浅くしかよめなくてすみません
この作品が太宰治の自戒であるなどの、一切合切の作家論は置いておくとすると、
なんか奥さんは「デビュー前から推してたアーティストが人気になって離れていくオタク」
感がすごい・・・。わしが育てた的な・・・。
もっともっと深い意味がこの作品にはもちろんあるのだろうけれど、そこが気になりすぎて。
一種の共感性羞恥かもしれない。
問題が発生しました。数分後にもう一度お試しください。
ありがとうございました。
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ストーリー
- misamo
- 2022/08/26
よかったです
耳から入って来るはなしを聞けて、作品の世界に入り込めました。
問題が発生しました。数分後にもう一度お試しください。
ありがとうございました。
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ストーリー
- chii
- 2022/10/19
ある種憤りを感じる
それが世の常であれど、純粋な人が心理的に損をするのは気持ちの良いものではないなぁと思います。
問題が発生しました。数分後にもう一度お試しください。
ありがとうございました。
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ストーリー
- k.sou
- 2022/10/20
視点の問題
どちらの視点で物語をみるかによって色々考えさせられました。
成功を掴み変わり果ててしまった夫には、妻の声はきりぎりすの鳴き声のようなものだったのでしょうね。
でもきっと夫の中にも、本当はわかってもらいたかった事があったのではないでしょうか
問題が発生しました。数分後にもう一度お試しください。
ありがとうございました。
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ストーリー
- まな
- 2023/05/26
気持ちは分かる
主人公の気持ちは分かります。芸術家ぶってる人が、実は人一倍富や名声に執着があるのが透けて見えるとげんなりしますよね、、
とはいえ、そういった執着がエンジンになって制作が進む人がいるのも事実。難しいです。
問題が発生しました。数分後にもう一度お試しください。
ありがとうございました。
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