二人の役人
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📖『二人の役人』朗読 – 萱の穂の光る九月の野原と、きのこをさがす日曜の朝🌾🍄
静かに語られる物語の世界へようこそ。今回お届けするのは、宮沢賢治の『二人の役人』。
九月の野原は、草の穂と小さな林とでいっぱいでした。私は藤原慶次郎といっしょに、毎日そこへきのこや栗をとりに出かけます。ある日曜の朝、いつもの入口まで来ると、白い立札が一本立っていて、きょうはえらい人が来るから中へ入ってはいけない、と書いてありました。
それでも二人は、そのえらい人の顔を見てやろうと、野原でいちばん奇麗な林まで走って行き、草のなかにかくれます。待っていても人の来る気配はなく、こわさはいつのまにか薄れて、二人はきのこをさがしはじめました。そこへ慶次郎が耳もとで、来たよ、と云うのです。草の間からすかして見ると、二人の役人が、みちを外れてこちらへまっすぐ近づいて来るところでした。
つかまるものと覚悟した二人は、とったきのこをそっと棄てます。ところが役人たちは、子どもらのいることに気づきもしないで林の前に立ちどまり、かかえてきた袋の口を解きはじめるのでした。
草のなかにひそんでいるあいだ、聞こえてくるのは大人たちの声ばかりです。息もつまるようだった時間は、その声とともにだんだんほどけていきます。はんのきの下には日ざしが点々と落ちて、九月の光はどこまでも明るいのです。
いまその野原は、畑や練兵場になっています。それよりもっと立派だったころの、青い萱と栗の木の林にみたされた九月の一日を、朗読でじっくりとお楽しみください。
#少年 #冒険
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