#32 韓国ソウル・リウム美術館訪問。何も残さないティノ・セーガルと、美術史から消された女性作家たちの没入空間「Inside Other Spaces」
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Augustがパーソナリティを務める、アート・カルチャーを探求するPodcast。
第32回は、韓国・ソウルにある最高峰の私立美術館「リウム美術館(Leeum Museum of Art)」です。
今回は、2026年6月に現地で体験した2つの革新的な企画展について、その裏側に隠された重要な意味や歴史的背景を深く掘り下げます。
一つ目は、一切の記録や物質を残さないアーティスト、ティノ・セーガルの個展。
写真撮影も映像も一切NG。絵画も彫刻も存在しない空間で、彼が作り出す「構成された状況」とは一体何なのか? ロダンの古典的な彫刻作品や、フェリックス・ゴンザレス=トレスのビーズアートと交差しながら見えてくる、非物質的アートの真髄に迫ります。
二つ目は、「Inside Other Spaces: 女性作家たちの共感覚的環境 1956-1976」。
今でこそ「没入型(イマーシブ)アート」や「インスタレーション」という言葉は一般的ですが、その源流には「環境(environment)」と呼ばれる芸術形式がありました。しかし、それは男性中心の美術史の中で、記録にも残らず消え去ってしまった歴史があります。世界中から発掘された資料をもとに奇跡的に復元された、女性アーティストたちの急進的な空間作品を体験してきました。
スマホの画面越しに消費される現代において、リアルな体験が持つ圧倒的な価値とは何なのか。展示を通じて考えたことを語ります。
【今回のハイライト:こんなことがわかります】
・物質を作らないアート:ティノ・セーガルの「構成された状況」とは何か。
・ロダンとの対話:古典的な彫刻と、身体を使った無形のアートが同じ空間に並ぶ意味。
・美術史から消された環境:インスタレーション以前に存在した、空間を丸ごと体験するアートの歴史。
・なぜ女性作家たちは歴史から消されたのか:男性中心の美術界における環境アートの解放と忘却。
・全身で感じるアート体験:視覚を超えた共感覚的アプローチの魅力。