223レスパイト入院とショートステイ。家族にとって必要な休養を考える
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「最近、母の介護に疲れが溜まっていて…でも、休みたいなんて言ったら、母を見捨てるみたいで」。在宅介護のご相談を受けていると、こうした声にしばしば出会います。真面目にご家族を支えてきた方ほど、「休む」という選択肢を自分に許せずにいます。しかし、介護は長距離走です。走り続けるためには、途中で立ち止まる場面が必ず必要になります。
厚生労働省の令和Y年(YYYY年)国民生活基礎調査によれば、要介護者等を主に介護している方のうち、「常に介護している」「ほとんど終日」と答えた方は一定の割合にのぼり、介護疲れやストレスを訴える声は年々増加傾向にあります。また、同居する主な介護者の年齢構成も高齢化が進んでおり、介護する側もされる側も高齢という、いわゆる"ろうろうかいご"(老老介護)の世帯が珍しくなくなっています。休息を取れないまま介護が続くと、介護者自身の体調不良や共倒れにつながるリスクが高まることは、複数の公的調査・研究で指摘されています。
在宅介護の現場で長く感じてきたのは、「介護を頑張ること」と「介護を休むこと」は対立しないということです。むしろ、計画的に休む仕組みを持っているご家庭のほうが、結果として長く安定して在宅療養を続けられています。ここで鍵になるのが、ショートステイ(介護保険の短期入所)と、レスパイト入院(医療保険での一時的な入院)という、二つの「休むための選択肢」です。この二つは似ているようで役割が異なり、使い分けを知っているかどうかで、いざという時の動きやすさが大きく変わります。
とりわけ、点滴や酸素療法、たんの吸引といった医療的な処置が日常的に必要な方の場合、「一般の介護施設では預かってもらえないのではないか」という不安から、そもそも休むという選択肢自体を思いつかないご家族も少なくありません。しかし実際には、医療処置が必要な方でも一時的にお預かりできる仕組みが用意されています。知らないままでいると、使えたはずの支援にたどり着けず、ご家族だけで抱え込み続けてしまう。まずはこの仕組みを知ることが、最初の一歩になります。
在宅介護は、病院での入院治療とは違い、終わりの時期があらかじめ見えているものではありません。数か月で終わる方もいれば、数年、時には十年以上に及ぶ方もいます。ゴールの見えないマラソンを、休憩なしで走り切ることはできません。だからこそ、あらかじめ「休むための仕組み」を生活のリズムに組み込んでおくことが、結果としてご本人にとってもご家族にとっても、長く安定した在宅療養につながります。