201.腸内環境を整える漢方薬と生薬 ― 大建中湯・半夏瀉心湯・陳皮・生姜
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うなぎに山椒をかけるのは、実は理にかなっていることをご存知ですか・・・?
前回お届けした「腸内環境」の話の続編です。今回はいよいよ具体的に、腸内環境にプラスに働く漢方薬と生薬をご紹介します。食卓の身近な薬味にも、実はちゃんと理由があった――そんな発見のある回です。
▼今回お話ししていること
・大建中湯 ―「中心(胃腸)を立て直す」という名前の処方
・山椒が腸の血流を増やす? うなぎに山椒の、理にかなった理由
・半夏瀉心湯 ― お腹がゴロゴロするときに使われる処方
・黄連・黄柏の苦味成分「ベルベリン」と腸内環境の関係
・腸の細胞をつなぐ“ファスナー”=タイトジャンクションの話
・陳皮(みかんの皮)と生姜 ― 身近な生薬のちから
まずご紹介するのが「大建中湯(だいけんちゅうとう)」。“建中”とは中心=胃腸を立て直すという意味で、人参や山椒に加えて、水飴のような甘い生薬が入っています。甘味は胃腸に栄養を残すと考えられており、胃腸を動かしながら栄養も届けてくれる処方です。注目したいのは山椒。あのピリッとする成分が腸を刺激し、腸へ向かう血流を増やすことが健康な方の実験でも確かめられていて、動物実験では善玉菌が増えたという報告もあるのだそうです。土用のうなぎは栄養満点な一方で消化には負担がかかりますが、そこに山椒をかけるのは、胃腸を動かし腸内環境まで整えるという意味で、実によくできた組み合わせだったわけです。
もうひとつが、お腹がゴロゴロするときに使われてきた「半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)」。胃腸にこもった熱を分散させて動きを戻す処方で、ここにも黄芩・黄連という黄色い生薬が入っています。以前ご紹介した黄連解毒湯とも共通する、この苦味の正体が「ベルベリン」。悪玉になりやすい菌や炎症を起こす菌を抑え、体に良い働きをする菌を増やすこと、さらに腸の細胞同士をファスナーのようにつなぐ“タイトジャンクション”をしっかり保つ働きが分かってきているといいます。最後に身近な生薬をふたつ。七味唐辛子に入っているオレンジ色の粒「陳皮(みかんの皮)」はビフィズス菌などの善玉菌を増やすといわれ、生姜は腸内細菌のバランスを整えるとされています。生の生姜は発汗、蒸した生姜は内臓を温める――夏はどちらも上手に使い分けてみてください。
腸内環境は、全身のあらゆるところに影響します。普段はなかなか意識しないところですが、こうした身近なものを少しずつ取り入れて、健康に過ごしてまいりましょう。
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