『199.夏を乗り切る漢方薬 ― 黄連解毒湯・五苓散・蟾酥の使いどころ』のカバーアート

199.夏を乗り切る漢方薬 ― 黄連解毒湯・五苓散・蟾酥の使いどころ

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この猛烈な暑さを乗り切るために、頼りになる漢方薬があることをご存知ですか・・・?
前回お伝えした夏の養生(一日一回汗をかく/赤いもの・苦いものを選ぶ)を受けて、今回はその実践編です。夏に活躍する代表的な処方を3つ取り上げ、「なぜそれが夏に合うのか」という理屈のところから、じっくり解説していきます。

▼今回お話ししていること
・「苦い」「黄色い」がヒント? 夏に使う漢方薬の共通点
・黄連解毒湯 ― 苦くて黄色い生薬を集めた、熱を散らす処方
・暑い日の外出前や、寝苦しい夜に選ばれている理由
・二日酔い対策としても知られているのはなぜ?
・五苓散 ― 余分な水を血管に戻して外へ出す
・センソ(蟾酥)― 手足のむくみと、心臓のポンプ機能のお話

まずご紹介するのが「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」。黄連・黄芩・黄柏と、名前にも見た目にも“黄色”がつく、とても苦い生薬が集まった処方です。苦味には体にこもった熱を外へ出す働きがあるとされ、さらに生薬ごとに上半身・中心部・下半身と得意な場所が違うため、全身の熱をまんべんなく散らしてくれると考えられています。暑い日の外出前や、夜が寝苦しいときに用いる方が多く、夏になると求める方が一気に増える処方です。運龍堂でも、屋外で作業される現場監督の方がまとめて買いに来られることがあります。ちなみに二日酔い対策としても知られていますが、これはお酒でがんばった肝臓にこもった熱を散らし、働きを保つという考え方から。もちろん、お酒を推奨しているわけではありません。

もうひとつのキーワードが「水」です。夏にたくさん飲んだ水が体に残ったまま秋を迎えると、その水が冷えて不調のもとになるため、寒くなる前に捨て切っておきたいところ。そこで登場するのが「五苓散(ごれいさん)」で、余分な水を血管に戻して排出を促し、さらに含まれる桂皮(シナモン)が皮膚の表面から水分を発散させる後押しをするといわれます。そして手足のむくみで思い出してほしいのが「センソ(蟾酥)」。心臓のポンプの働きに関わる生薬で、面白いことに、心臓の酸素消費量を増やさずにポンプ機能を高めるというデータがあるのだそうです。むくみが強いときには、五苓散と組み合わせて使うこともあります。

異常とも言える暑さが続く夏。日々の養生に加えて、こうした漢方薬もうまく取り入れながら、健康な夏をお過ごしください。


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