『風野又三郎』のカバーアート

風野又三郎

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📖『風野又三郎』朗読 – 山あいの学校にあらわれた風の少年🌬️🍃

静かに語られる物語の世界へようこそ。今回お届けするのは、宮沢賢治の『風野又三郎』。

谷川の岸に建つ、小さな四角な学校。九月一日のさわやかな朝、登校してきた一年生の二人が教室をのぞいてはっと棒立ちになります。誰もいないはずの教室、自分の机に、見たこともない赤い髪の子どもがちゃんと座っていたのです。鼠いろのマントに、水晶かガラスかと思われるすきとおる沓。熟した苹果のような赤い顔と、まん円でまっくろな眼──。 やがて山の上の栗の木の下で、子どもたちはその不思議な子と再会します。「風野又三郎」と名乗るその子は、岩手山から来たといい、支那へも行ったという。世界中を飛んで歩く話を、一郎や嘉助たちに次々と語り聞かせるのでした。「どっどど どどうど どどうど どどう、ああまいざくろも吹きとばせ、すっぱいざくろもふきとばせ」──冒頭から響くこの歌のリズムに乗って、九月のはじめのいくつもの日々、又三郎と子どもたちの交流が続いていきます。

岩手山の谷底や、雲のずっと上で起きていること。又三郎が語りはじめると、見たこともない場所の景色や出来事が、栗の木の下にいる子どもたちの耳元まで運ばれてきます。ときに自慢げに、ときに少しふざけて、ときにふいに怒ったりしながら、風の少年は語り続けるのでした。 赤い髪、鼠いろのマント、まっくろな眼、ぎらりと光るガラスの沓。風がただ風として吹くこと、そして風が一人の子どもの姿で語りかけること──そのあわいに広がる、九月の山と空のはなし。

宮沢賢治が描く、風と歌と光に満ちた不思議な世界。子どもたちと又三郎の出会いを通して立ち現れるこの幻想的な物語を、朗読でじっくりとお楽しみください。

※本作の九月一日の場面には、原稿が失われている箇所が二か所あり、底本でも〔以下原稿数枚なし〕と記されています。朗読でも該当箇所はそのまま、欠落として扱っております。物語の途中で場面が少し飛ぶように感じられる部分がありますが、そのままお聴きください。


#冒険 #少年 #方言

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