『雁の童子』のカバーアート

雁の童子

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📖『雁の童子』朗読 – 砂漠の泉のほとりで聞く、空からおりてきた童子のはなし🌾🦢

静かに語られる物語の世界へようこそ。今回お届けするのは、宮沢賢治の『雁の童子』。

流沙の南、楊で囲まれた小さな泉のほとりで、私は昼の食事をしていました。そこへ一人の巡礼のおじいさんがやってきて、だまって軽く礼を交わします。やがて私は泉のうしろに、まだ新しく黄と赤のペンキを塗られた小さな祠を見つけ、おじいさんに尋ねました。「あのお堂はどなたをおまつりしたのですか」。老人は静かに語りはじめます——「雁の童子のです」と。

語られるのは、沙車にしずかに暮らす須利耶さまをめぐる物語。ある明け方、従弟と歩いていた須利耶さまの前で、空を渡る雁の列に銃口が向けられます。一発、また一発と弾丸が昇り、撃たれた雁は赤い焔につつまれ、泣き叫びながら落ちてくる——その姿はいつしか、空を飛ぶ人の形に変わっていました。やがて須利耶さまに託されることになる、ただ一人傷つかなかった小さな雁。「雁の童子」と呼ばれるようになるその子は、須利耶さま夫妻のもとで日々を過ごしていきます。

子供らに囲まれた夕方、寝つけない夜に父と聞いた水の流れる音、馬市で母馬から引き離されていく仔馬を見たときのまなざし。ささやかな日常のひとこまひとこまに、童子のやわらかな心と、かつて空にあったものの面影とが、そっと重なっていきます。

流沙、沙車、天山——シルクロードを思わせる遠い風景の中で、いのちの悲しさ、罪とその報い、過去世のつながりといった主題が、静かに物語に織り込まれていきます。空を渡る雁の列と赤い焔、青い石の野原と白い杏の花、泉のほとりの巡礼と語られる遠い昔——内と外、いまと昔、地上と天とが、淡くつながりあって立ちあらわれます。

沙漠のへりの泉で巡礼の老人から聞くようにして語られる、雁の童子の物語。詩的な言葉と異国的な情景が織りなす、しずかで不思議な世界を、朗読でじっくりとお楽しみください。


#童子 #夢 #いじめ

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