貝の火
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📖『貝の火』朗読 – 光る野原と、火をやどすひとつの珠🌿🔥
静かに語られる物語の世界へようこそ。今回お届けするのは、宮沢賢治の『貝の火』。
草がきらきらと光り、樺の木が白い花をつける、よいにおいに満ちた野原。子兎のホモイは、うれしくてたまらず草の上を跳ねまわっています。そんなある日、ホモイは流れに落ちて押し流されてゆく小さな命を見つけ、こわさをこらえて水に飛び込み、岸へと助け上げます。
それからしばらくして、助けられた小鳥の親子が、一つの贈り物を携えてホモイのもとを訪れます。「貝の火」と呼ばれる、まんまるの宝珠。中では赤い火がちらちらと燃え、目にあてて空へすかせば焔は消えて天の川がすきとおる、不思議な珠です。手入れしだいでこの珠はどこまでも立派になる——鳥の王からの言伝てとともに託されたそれを、ホモイは毎日息をふきかけ、みがいて大切にすると心に決めます。
やがて、野原の生きものたちのホモイへの接し方が、少しずつ変わってゆきます。
火を抱いた珠は、ホモイの日々とともに、その輝きをさまざまに変えていきます。野原には、朝を告げるつりがねそうの鐘の音が高く響き、鈴蘭は風に葉を鳴らし、草には露がきらめきます。その明るい風景の中を、ホモイはひばりや、りすや、馬や、むぐら、そして狐といった生きものたちと行き交います。
「立派な人になった」と言われるようになったホモイ。そのまわりで、生きものたちの振る舞いも移ろってゆきます。ていねいに頭を下げる者、こわばってしまう者、調子よく近づいてくる者——さまざまな姿が、ホモイのかたわらに現れます。手のひらにおさまる小さな珠と、それを持つホモイのありようとが、物語の中でひそかに結ばれていきます。
火と光、霧とその晴れ間、野原にわたる鐘の音。きらめく情景と、ちらちらと燃えるひとつの珠。詩的な言葉とやわらかな描写が、子兎の一日一日をつつんでいきます。
宮沢賢治が描く、野原と生きものと、火をやどす珠の物語。ホモイと貝の火をめぐるこの不思議なものがたりを、朗読でじっくりとお楽しみください。
#狐 #動物が主人公 #いじめ #傲慢