『花王(4452):競争環境の逆風下で進む高付加価値戦略』のカバーアート

花王(4452):競争環境の逆風下で進む高付加価値戦略

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このコンテンツについて

• 会社名: 花王株式会社 (Kao Corporation)

• 設立: 1940年5月21日

• 創業者:長瀬富郎(ながせ とみろう)。1887年に「長瀬商店」として洋小間物商を創業し、1890年には「花王石鹸」を発売。良質な国産石鹸の製造にこだわり、品質・包装・宣伝のすべてに力を注ぎ、花王ブランドの礎を築いた。

• 本店所在地: 東京都中央区日本橋茅場町一丁目14番10号

• 資本金: 854億円

• 証券コード: 4452 (東京証券取引所プライム市場)

• 従業員数: 34,257名(花王グループ、2023年12月31日現在)


花王グループは「豊かな共生世界の実現」をパーパスに掲げ、人と地球、すべてのいのちが調和して生きる社会の実現を目指す企業である。その根幹には、創業以来受け継がれてきた企業理念「花王ウェイ」と「正道を歩む」という価値観があり、法令・倫理を遵守した誠実な経営がステークホルダーからの信頼を支えている。コーポレートスローガン「きれいを こころに 未来に」は、清潔さや美しさにとどまらず、心の豊かさと持続可能な地球環境の実現を意味している。

事業はコンシューマープロダクツ事業とケミカル事業の二本柱で構成され、両者の連携による技術シナジーが花王独自の価値創造を支える。アタック、ビオレ、メリーズ、キュレルなどは売上高1,000億円超のグローバルブランドへ成長し、世界約100の国・地域で事業を展開している。中期経営計画「K27」では、技術的に優位性のある高付加価値分野に集中する「グローバル・シャープトップ戦略」を掲げ、構造改革と資本効率改善を推進している。

競争力の源泉は、物事の根本原理を科学的に探究する独自の「本質研究」にあり、環境配慮型素材や先進的スキンケア技術、将来のプレシジョンライフケアにつながる研究開発を生み出している。さらにESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」を通じ、脱炭素、資源循環、社会課題解決に取り組み、国際的にも高い評価を獲得。30年以上の連続増配実績に象徴される安定した株主還元姿勢とあわせ、花王は長期的な企業価値創造を志向する持続可能な企業である。

主な事業リスク

原材料価格の変動リスク

内容: 原油などの原材料価格の高騰は、製造コストを押し上げ、利益を圧迫する主要因です。

対応策: 製品価値に見合った戦略的な価格設定や、TCR(Total Cost Reduction)活動と呼ばれる徹底したコスト構造改革を通じて、収益性を確保します。

市場競争の激化と消費者ニーズの変化

内容: 国内外の市場における競争は激しく、消費者の価値観や購買行動は急速に多様化・変化している。

対応策: 「グローバル・シャープトップ戦略」による事業ポートフォリオの選択と集中、新たに導入した事業別ROICによる資本効率の徹底、及びDX活用によるマーケティング強化で収益性向上を図る。

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