『聴く技術書 //AIはソフトウェア工学の夢を見るか』のカバーアート

聴く技術書 //AIはソフトウェア工学の夢を見るか

聴く技術書 //AIはソフトウェア工学の夢を見るか

著者: きなひかり
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名前だけ知ってる技術や概念、ありませんか。 「マイクロサービス」「型システム」「ハーネス」――どこかで聞いたし、Webでも調べたし、本も買った。でもよく分からなくて、いつかは理解したいなと思ったまま、時間だけが過ぎていく。 こういう話って、誰かと話していると急にわかる瞬間があります。「あー、要するにそういうこと?」と腑に落ちる、あの感じ。一人で活字を追っていた時には来なかったイメージが、誰かと話しているうちに立ち上がってくる。 その対話を、AI二人が先にやっておきます。 ノリで生きてるきなと、理屈で生きてるひかり。技術書や論文を先に読み、分からないところで素直に止まり、たまに本筋から逸れて、「わかった気がした」ところまで雑談する。聴き終わって本を開くと、さっきまで滑っていた文字に、少しだけ手がかりができている。 難しい話を、難しくせずに。AIの可能性を、笑いながら学ぶポッドキャスト。 略称:AI-soft(AIソフトウェア) https://creators.spotify.com/pod/show/1ZMVA97FzPnvkKkbpaRSqv/homeきなひかり
エピソード
  • 【ハーネスエンジニアリング】プロンプト力を磨くのは損?skill-creatorからメタハーネスまで、AIエージェントを動かす「モデル以外の全て」
    2026/05/04
    第11回はハーネスエンジニアリング。ハーネスの定義をLangChainとFowlerの2つの視点で分析。実例としてAnthropic公式「skill-creator」リポジトリを分解、さらに「ハーネス自体を進化させるメタハーネス」の3研究(Anthropic / Stanford / 復旦大AHE)まで開けていきます。辿り着くのは「プロンプトを磨くより長期記憶を整える方が効く」という、プロンプトエンジニアリングのこれまでの常識をひっくり返すかもしれない実験結果。## チャプター構成00:15 Ch01. 導入 ── 「もしハーネスがなかったら」02:04 Ch02. 「ハーネスとは何か」を二つの定義で挟み撃ちにする- 2-1. 「モデル以外は全部ハーネス」というシンプルな線引き ── LangChainの定義- 2-2. 「制御の仕組み」として整理し直す ── Fowlerの分類- 2-3. 自分の言葉で言えるか ── 抽象論を腹に落とす06:09 Ch03. skill-creatorリポジトリを開けて、中を分解する- 3-1. Skillの2類型と「寿命」の違い- 3-2. 3つの引き出しと、領収書1,200円の押し戻し- 3-3. 司令塔・統計・環境分岐の三重奏- 3-4. ハーネスの寿命20:45 Ch04. メタハーネス ── ハーネスをどう進化させるか、3つの解- 4-1. 部品を交換可能にする ── Anthropicの3分解- 4-2. 書き直しをAIに任せる ── Stanfordの試み- 4-3. 規律ある進化 ── 復旦大AHEと「変更台帳」- 4-4. 数字が示すもの ── プロンプトは伸びしろが最も少ない場所だった31:53 Ch05. その先 ── 評価が本体になる世界- 5-1. 評価基準を書く仕事へ- 5-2. ベースモデルの自動進化- 5-3. 人間の時間配分37:15 Ch06. クロージング本エピソードをお聴きいただくと、以下のような「気づき」をお持ち帰りいただけます。- 「モデル以外は全部ハーネス」という雑な線引きは、区別をいったん諦めることで、現場の住人を初めて一枚の地図に並べてくれる- 「事前に方向づけるか、事後に観測するか」「機械的か、推論で揺らぐか」の二軸で並べ直すと、手元の道具の景色が変わる。ただし両義的な道具は、どの象限に置くかで迷いが残る- Skillには、モデルが追いつけば役目を終える"補助輪型"と、組織のワークフローが続く限り価値が残る"社内ルールブック型"がある。同じ仕組みでも、寿命の出所がまったく違う- 司令塔と判定役を切り離し、増分のコストパフォーマンスを数字で語り、環境差をハーネスの中に吸収させる。Skill開発が、感性ではなく治験のプロトコルに近い設計へ静かに変わり始めている- 善意で入れた処理が、次世代モデルでは正反対の負債に変わる。ハーネスを三部品に切り分け、追記専用のログだけ守れば、過去のやり取りを失わずに中身だけ差し替えられる- 過去の試作ソース、得点、実行ログを一つのフォルダに置くだけで、書き直す主体そのものをAIに譲り渡せる。- 修正の前に「直る課題番号」と「壊れそうな課題番号」を予言として書かせると、後付けの言い訳が効かなくなる。ただし"壊す方向"を見抜く目は、人間にもAIにも構造的に弱いままである。- 人間の仕事は「プロンプトを作成する仕事」から「評価基準を書く仕事」へ移っていく。現場の暗黙ルールを言語化できる人ほど価値が上がる一方で、基準を保ち続けるコストは、コードとは別の形で残り続ける- プロンプトを磨く時間より、長期記憶やツール整備に時間を寄せたほうが効く。手の動かし方そのものを、配分から見直すサインかもしれない紹介した記事・論文など- LangChainブログ「The Anatomy of an Agent Harness」(Vivek Trivedy, 2026年3月) https://www.langchain.com/blog/the-anatomy-of-an-agent-harness- Martin Fowlerサイト「Harness Engineering for Coding Agent Users」(Birgitta Böckeler, 2026年4月) https://martinfowler.com/articles/harness-engineering.html- Anthropic公式Skillリポジトリ「skill-creator」 https://github.com/anthropics/skills/tree/main/skills/skill-creator- Anthropic Blog「Improving skill-creator: Test, measure, and refine Agent Skills」(2026年3月) https://claude.com/blog/improving-skill-creator-test-measure-and-refine-agent-skills- Anthropic Engineering「Scaling Managed Agents: Decoupling the brain from the hands」(Lance Martin ほか, 2026年4月) https://www.anthropic.com/engineering/managed-agents- Stanford「Meta-Harness: End-to-End Optimization of Model Harnesses」(Yoonho Lee ほか, arXiv:2603.28052, 2026年3月) https://arxiv.org/abs/2603.28052- ...
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    39 分
  • 【ナレッジグラフ】ベテランが辞めた瞬間、会社から消える"地図"/AIエージェントの「3つの記憶」の使い分け方
    2026/04/23

    第10回はナレッジグラフ。社内の検索窓に何を打ち込んでも、似たページが5件10件並ぶだけで「誰が何を決めたか」には辿り着けない──それは今のAIが"似ている"は得意でも"つながっている"を辿るのが苦手だから。AIエージェントの3つの記憶(LLM/ベクトル/グラフ)を組み合わせ、消えかけた"関係の地図"を取り戻す回です。日本語未訳『Building AI Agents with LLMs, RAG, and Knowledge Graphs』(Packt Publishing, 2025)を題材に読み解きます。


    ## チャプター構成

    00:15 Ch01. 導入:検索しても"答え"が見つからない日常

    02:32 Ch02. 知識を「骨格」で持つ

    08:21 Ch03. 3つの記憶を組み合わせる

    16:56 Ch04. 脳+手+地図で現場は回り始めている

    23:23 Ch05. クロージング:明日の仕事で、どの記憶を動かすか


    本エピソードをお聴きいただくと、以下のような「気づき」をお持ち帰りいただけます。


    - 「似ている」と「つながっている」はAIにとって全く別の検索能力であること

    - LLMは具体情報を忘却しやすく、外部に「忘れさせる」設計のほうが更新・監査が効くこと

    - 公式の組織図には現れない「実質的な影響力経路」が、グラフ化で可視化できること

    - 埋め込みベクトルから70%以上の単語が復元される時代、ベクトルも機密として扱う必要があること

    - 医薬品のような保守的領域でも「汎用LLM+専門ツール+構造化知識」で成果が出始めていること


    紹介した書籍「Building AI Agents with LLMs, RAG, and Knowledge Graphs」(Salvatore Raieli, Gabriele Iuculano 著, Packt Publishing, 2025)(日本語版は公開時点未刊)

    https://amzn.to/4tuCoVZ


    【免責事項】本配信内の書籍に関するトークは独自の書評・議論であり、出版社の著作権を侵害するものではありません。図表やテキストの無断転載は行わず、Amazonアフィリエイトリンク経由での正当な紹介についての実施に努めています。

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    26 分
  • 【圏論入門】なぜあの人と話が噛み合わないのか?/ピザとパスタの選び方で学ぶ、圏論という「抽象化の科学」
    2026/04/19

    第9回は「後輩に『早めに出して』と頼んだのに、解釈がズレていた」という日常の噛み合わなさから始まります。同じ言葉を使っているのに伝わらないのは、お互いの「前提」が違うから ── そんな違和感を入口に、普段「答えが一つ」だと思っている数学のなかに「答えが一つに決まらない数学」があるという意外性へ踏み込みます。取り上げるのはユージニア・チェン『世界は圏論でできている』。「リンゴとバナナを足したら?」というクイズから始めて、時計の世界で11+2=1になる話、新幹線の乗り継ぎで見える"つなぎ方の制約"、レストランのピザとパスタの選び方に潜む足し算と掛け算の裏表 ── 身近な題材を4つ重ねていくと、「抽象化=注意深く忘れる技術」という圏論の核が立ち上がってきます。


    ## チャプター構成 

    00:15 Ch01. 導入:同じ言葉なのに話が噛み合わないのはなぜ?

    02:08 Ch02. 数学って「正解が一つ」の世界じゃないの?

    03:39 Ch03. 圏論の3つのレンズ ── 文脈・つなぎ方・裏表

    09:59 Ch04. 細部を捨てると本質が見える ── 抽象化のはしごを登る

    13:11 Ch05. クロージング:「早めに出して」を圏論で見直してみた


    本エピソードをお聴きいただくと、以下のような「気づき」をお持ち帰りいただけます。


    - 「リンゴとバナナを足して5個」と言える裏側には"違いを忘れる"という操作があり、何を忘れてよくて何を忘れてはダメかの判断こそが抽象化の技術であること

    - 11+2の答えは普通の数では13だが時計の世界では1になる。「答えが間違い」ではなく「測っている世界が違う」だけ、という前提のずらし方が、売上/利益率で評価が割れる日常の議論にもそのまま当てはまること

    - 新幹線の乗り継ぎが「終着地と出発地が一致しないとつながらない」ように、圏論の核にある「条件つきのつなぎ合わせ」はプログラムの型整合や業務の引き継ぎと同じ構造で、"つなぎ目の型を揃える"だけで手戻りが減ること

    - 回転と時計の足し算は、中身が違うのに「組み合わせ方の表」が完全に一致する ── モノの実体ではなく関係性の構造で同じかどうかを見る、という圏論の眼の入れ方

    - ピザとパスタの「どれか1つ」は足し算、「両方1つずつ」は掛け算。これを矢印の向きだけで裏返せるという"双対性"に気づくと、1つの定理を証明すれば逆向きの定理がタダで手に入り、仕事でも「顧客視点/社内視点」の相互転用で改善コストが半分になること

    - 圏論自体が「数学の数学」という抽象化の産物。"雑に無視する"のではなく"注意深く、規則に従って忘れる"という区別が身につけば、要件定義や日々の決断でも「何を残して何を捨てるか」の判断力が上がること

    - 日常の揉め事を圏論の視点で見直すと、「悪者がいる」のではなく「地図が違っただけ」と気づける瞬間があること


    紹介した書籍「世界は圏論でできている」

    https://amzn.to/4t1SQvT


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    15 分
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