『寿司とワインの美学』のカバーアート

寿司とワインの美学

寿司とワインの美学

著者: Hisayuki Takeuchi
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このコンテンツについて

寿司とワインの美学」 は、日本の伝統的な寿司とフランスの自然派ワインが織りなす、食の新たな調和を探求するポッドキャストです。素材の持つ力、美しさ、そして文化の背景を尊重しながら、両者の出会いが生み出す芸術的な世界を紐解きます。料理人、ワイン生産者、アーティストたちとの対話を通じて、味わいの奥深さや食の哲学に迫ります。 Hosted by Ausha. See ausha.co/privacy-policy for more information.©Hisayuki Takeuchi アート エンターテインメント・舞台芸術 クッキング 食品・ワイン
エピソード
  • 葡萄酒の味の表現の仕方
    2025/10/15

    「寿司とワインの美学」 は、日本の伝統的な鮨とフランスの自然派ワインが織りなす、食の新たな調和を探求するポッドキャストです。素材の持つ力、美しさ、そして文化の背景を尊重しながら、両者の出会いが生み出す芸術的な世界を紐解きます。料理人、ワイン生産者、アーティストたちとの対話を通じて、味わいの奥深さや食の哲学に迫ります。

    「ジュラとサヴォワのワイン – Persan と Mondeuse、そして和食との組み合わせ」

    みなさん、こんにちは。
    今日はフランス東部、アルプスのふもとに広がる ジュラとサヴォワのワイン についてお話ししながら、
    どうやって寿司や日本料理と合わせることができるかもご紹介します。

    この地域は山や湖に囲まれた自然豊かな土地で、土壌や気候がとても特徴的です。
    だからこそ、他ではなかなか味わえない個性的なワインが育つんですね。

    ジュラやサヴォワのワインの大きな特徴は、透明感と生き生きとした酸味です。
    山岳ワインらしい軽やかさと同時に、しっかりした力強さも持っています。
    この性質が、繊細な日本料理や寿司の味わいと、とてもよく調和するんです。


    まずは ペルサン(Persan) から。
    赤ワインは深いルビー色で、香りを嗅ぐとカシスやブラックベリーなど黒い果実の香り、
    そしてスパイスのニュアンスも感じられます。
    味わいは、タンニンがしっかりしていますが酸味とよく調和し、時間が経つと複雑さが増していきます。

    和食との相性でいうと、ペルサンはやや濃厚な料理によく合います。
    たとえば、

    • マグロの赤身やトロの寿司

    • 軽く味付けした和牛料理

    • そして やさしい味わいの和チーズ などにもぴったりです。


    次に モンドゥーズ(Mondeuse) です。
    「サヴォワのシラー」と呼ばれることもあります。
    色は濃く、香りはスミレやブラックチェリー、さらに胡椒のようなスパイスを感じます。
    口当たりはタンニンが力強いけれど、しなやかさもあり、野性味とエレガンスを両立しています。
    熟成すると、森の土や下草のような香りが出て、奥行きが増していきます。

    モンドゥーズと和食を合わせるなら、

    • サーモンや軽く燻製したサバの寿司

    • カニや貝類を使った料理

    • そして 根菜のローストや漬物 など、土の香りを感じる食材にも合います。


    ジュラやサヴォワのワインは大量生産ではなく、小さな畑で手間をかけて育てられています。
    だから、一口飲めばその土地の息づかいや造り手の想いを感じることができるんです。

    和食とワインを楽しむことは、単に食べたり飲んだりするだけではありません。
    自然と人の歴史、そして味わいの哲学を体験すること なんですね。

    次にワインを選ぶときは、ぜひペルサンやモンドゥーズのボトルを手に取って、
    寿司の繊細な味わいと山のワインの個性が出会う瞬間 を楽しんでみてください。


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    7 分
  • 味の常識
    2025/10/08

    「寿司とワインの美学」 は、日本の伝統的な鮨とフランスの自然派ワインが織りなす、食の新たな調和を探求するポッドキャストです。素材の持つ力、美しさ、そして文化の背景を尊重しながら、両者の出会いが生み出す芸術的な世界を紐解きます。料理人、ワイン生産者、アーティストたちとの対話を通じて、味わいの奥深さや食の哲学に迫ります。

    「本当の美味しさ」とは何でしょうか。
    それは対象そのものの中にはなく、その奥に秘められた秩序や形、色彩、香り、調和――私たちが「美」と呼ぶすべての要素の中に宿るものです。

    「おいしい」は一瞬、心を揺さぶります。
    しかし「美味しさの真髄」は記憶に刻まれ、魂に残り、やがて人生の哲学となってゆきます。

    「おいしい料理」はまず見た目の印象に訴えますが、
    「料理の美味しさ」とは、素材・技術・精神が深く交わるところから生まれるものです。

    人は口に心地よいものに惹かれます。
    ですが、弟子が学ぶべきは――その背後に潜む真の美を見抜く眼差しなのです。

    「おいしいもの」とは、目を捉える姿。
    「物の美味しさ」とは、心に響き渡る余韻。

    生徒の皆さんへ。
    どうか流行のきらびやかさや表面的な美しさに惑わされず、
    対象の奥にひそむ「美」を探し続けてください。

    この探求こそが、一生涯にわたる学びであり、
    料理人として、人間としての成熟の源なのです。

    私がここでお伝えしたいのは、ただひとつ。
    「美味しさは対象の中にあるのではなく、
    あなた自身の眼差しと心の中に育まれるものなのです。」



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    10 分
  • ロワールのワイン
    2025/10/02

    「寿司とワインの美学」 は、日本の伝統的な鮨とフランスの自然派ワインが織りなす、食の新たな調和を探求するポッドキャストです。素材の持つ力、美しさ、そして文化の背景を尊重しながら、両者の出会いが生み出す芸術的な世界を紐解きます。料理人、ワイン生産者、アーティストたちとの対話を通じて、味わいの奥深さや食の哲学に迫ります。

    「次にご紹介するのは、ロワール地方を象徴する葡萄品種、シュナン・ブラン(Chenin Blanc) です。
    この品種は爽やかな酸味と辛口の白ワインから、蜂蜜のような甘口、さらにはスパークリングワインまで、とても幅の広いスタイルで我々を楽しましてくれる。

    特にヴーヴレ(Vouvray)のシュナンは有名で、果実味あふれるリンゴや洋ナシの香りに加え、花や蜂蜜を思わせる芳醇なアロマが感じられます。若いうちはフレッシュで生き生きとした酸味が魅力ですが、長期熟成させると驚くほど複雑で深みのある味わいに変化します。

    これを寿司と合わせて飲むと多分一生忘れることができない味を味わうことができます。

    フレッシュな辛口は、昆布締めの鯛や平目の握りによくにあうし、魚の旨味を一層引き立ててくれる。

    熟成を重ねたシュナンは、軽く炙った土佐の鰹や鰻の蒲焼き寿司など、お酢の味を丸やかにしてくれて、そして苦味を優しく包んでくれる、とても食べやすくしてくれます。



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    6 分
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