『国会を支える漆の手仕事、ぬしさ産業と竹俣圭清さん(埼玉県吉川市)』のカバーアート

国会を支える漆の手仕事、ぬしさ産業と竹俣圭清さん(埼玉県吉川市)

国会を支える漆の手仕事、ぬしさ産業と竹俣圭清さん(埼玉県吉川市)

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(文字起こし)「今日から話せる埼玉自慢」、永谷あきひさです。このチャンネルでは、「何もない県」と言われてきた埼玉県の人たちに、埼玉県の自慢できることについて紹介していきたいと思います。もし「ダ埼玉」と言われたら、この話を言い返してください。今日のテーマは、国会中継でテレビに映るあの黒い「指名標」を作っている、吉川市の「ぬしさ産業」さんと、代表の竹俣圭清(たけまた けいせい)さんについてです。国会の本会議場、議員さんの席に立っている、名前が金色で書かれた黒い札。あれ、どこで作られていると思いますか?答えは、埼玉県吉川市です。しかも、あの札のベースになっているヒノキの木は、国会議事堂が完成した昭和11(1936)年頃から約90年間、一度も新調されずに同じものが使われ続けているんです。削って、漆を塗り直して、また名前を書く。テレビに毎日映っているあの札は、吉川市産なんです。この仕事を担っているのが、ぬしさ産業(ぬしさ製作所)です。もともとは東京・上野で江戸漆器を手がけていた老舗の工房。そば道具の製造や修理も手がけ、職人の手仕事を守り続けてきました。漆というのは、木の樹液から取れる自然の塗料です。高い耐久性と機能性: 気温と湿度だけで自然に固まり、一度固まると非常に頑丈になります。抗菌効果や防臭効果まであります。接着剤にもなる: 欠けた器を直して長く使えるため、「塗る」「守る」「治す」が全部できる、日本のものづくりの土台のような素材です。ぬしさ産業が国会の仕事を請け負い始めたのは、昭和22(1947)年、竹俣さんのおじいさんの代からです。以来、70年以上にわたり、衆議院・参議院の指名標と、記名投票に使う賛成・反対の「木札」の製作と書き換えを一貫して担い続けています。選挙で議員さんが変わるたびに、前の議員さんの名前を削り落として黒い漆を塗り直す。そこに書家さんたちが毛筆で新しい名前を書き込む。これを「筆耕(ひっこう)」と言います。1本仕上げるのに約30分。竹俣さんは、何度も削って塗り直してきた札だからこそ、「歴代の大物政治家の名前が書かれていたかもしれない」と、国会の歴史の重みを感じながら作業をしているそうです。ところが、この仕事はのんびりやっていられません。総選挙の投開票日の翌日から、特別国会の招集日まで、準備に使える時間はわずか5日ほどしかないんです。例えば2021年の衆議院選の後には、新人議員さん101名分の依頼が来ました。指名標や賛成・反対の木札を合わせて、延べ3,805回(枚)もの名前を書いたそうです。納期は招集日の前日まで。仕上がったものから順番に車に積み込み、国会へ向かう移動時間まで使って、車の中で乾かしながら運ぶ。国会が開くその裏側で、吉川の工房がフル回転している。ニュースには映らなくても、国会はこの手仕事なしには始まらないんです。そして令和の今、代表の竹又圭成さんはデザイナーであり、工芸家でもあります。自身のルーツである家具製作の経験も活かしながら、吉川市で新たな挑戦を始めています。「遠く離れてしまった漆と人との距離を近づけたい」その思いから、「NUSHISA」というブランドで新商品の開発やショップ展開を行い、さらに吉川市内で「ぬしさの台所」という食堂も経営しています。ここでは実際に、漆塗りのお椀や器で食事ができます。食洗機の普及で家に漆器がない世代でも、漆の口当たりの軽さを日常のご飯で体験できる場所なんです。竹俣さんが語る漆器の魅力は、大きく分けて次の3つです。1. 口当たりの良さ 木の器に口をつけたときの滑らかさ、ぬくもり、そして持ったときの軽さ。2. 直して長く使える 漆は接着剤でもあるため、欠けても割れても「金継ぎ」のように修繕して使い続けられる。3. 安全で高機能 自然の樹液だから安心。固まれば頑丈で、抗菌・防臭の効果もある。さらに、使い込むほどにツヤが増して透明感が深まり、年数を重ねるほど良くなる。老舗の家業と全く同じですよね。整理します。江戸漆器の伝統を受け継ぐ工房として始まり、昭和22年からは国会の指名標という「国の裏方」...
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