『ボイスドラマ「縄文の扉」』のカバーアート

ボイスドラマ「縄文の扉」

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このコンテンツについて

主人公・りんご(CV:坂田月菜)は、同級生のトウマと訪れた堂之上遺跡で、奇妙な“赤い光”に飲み込まれ、気がつくと縄文時代の集落へ。そこで出会ったのは、りんごと瓜二つの少女・カヤ。彼女は新しい命を抱えながら、病で苦しんでいました。言葉は通じない—それでも2人は星の下、火のそばで、食を分かち合い、心を通わせていきます。しかし病状は悪化し、りんごとトウマは“祈り”としての土偶づくりへ挑むことに・・・【ペルソナ】・りんご(14歳/CV:坂田月菜)=久々野に住む中学生。来年春には卒業・カヤ(14歳/CV:坂田月菜)=縄文女子。妊娠中。中央祭祀場で火守をしている・桃真=トウマ(14歳/CV:山﨑るい)=りんごの同級生。一番仲のいい男子【資料/【飛騨高山の縄文遺跡を巡る】飛騨高山旅ガイド】https://www.hidatakayama.or.jp/blog/detail_51.html※縄文人の言葉は擬音が多く、単語での会話をしていたと推測されています。諸説ありますが、アイヌ語が縄文語の言語的特徴を色濃く残している可能性が高い、という仮説が有力視されています。今回はアイヌ語をベースにした縄文語という仮定で縄文人の言葉を表現しています。[プロローグ:堂之上遺跡にて】◾️SE/小鳥のさえずり「りんご〜!こっちへおいでよ〜」トウマ(桃真)が竪穴式住居の前からアタシを呼ぶ。久々野町の堂之上遺跡公園。ここ、久々野中学校からちょっとだけ下ったとこだから、もうドキドキ。トウマと2人で会ってること、誰かに見られたらどうしよう・・ついつい周りをキョロキョロしちゃう。トウマはアタシの同級生。アタシと同じ、久々野中学校に通う3年生。初めて2人だけで会ったのは夏休み明けの9月。行ったのは、なんとりんご狩。ま、それには理由があるんだけど。嘘みたいだけどアタシ、今年の4月までりんごが食べられなかったの。それを克服するきっかけをくれたのがトウマ。だから、りんご狩に誘ってくれたんだ。農園の場所はアタシのうちと目と鼻の先。トウマのおうちがやってる観光農園だった。そりゃそうだよね。久々野のりんご狩なんだもん。たいてい知ってる農園だわ。トウマも生まれてから14年間で初のりんご狩体験だったらしい。農園の子なのにね。お父さんやお母さんもすごくもてなしてくれて。おみやげに久々野りんごをいっぱい持たせてくれた。農園の中では星のりんごにカットして、3玉も食べちゃったし。ふふ。それからは毎週のように、トウマがアタシを誘ってきた。トウマって女子の人気者だから、独り占めするのはちょっと心配。2人で会うのは月に1回にしようって決めたんだ。ってことで、10月は、自転車であららぎ湖までピクニック。始まったばかりの紅葉がすごく綺麗だった。11月は、ひだ舟山リゾートアルコピア。真っ赤に色づいた紅葉はもう最高。毎年見ている風景だけど、トウマがいると違って見えるから不思議だな。そ・し・て。今日が3回目。なのに、堂之上遺跡とは(笑)歴史の授業や史跡見学で何回も来てるし。そもそも縄文の炉(ろ)を発見したのは、久々野中学校の郷土クラブだったんだよ。久々野中学校の生徒から見れば、もう”自分ち”みたいなもんなんだから。なんで堂之上遺跡?そんなこと考えてたら・・・「りんご〜!早く〜?」また呼ばれちゃった。はいはい。「行くから待っててよ、トウマ」「ねえ、ちょっと見てみてよ」「なあに?」「竪穴式住居の中に赤い光が見えるんだけど」「え・・どこ?」「ほら、あそこ」「あ・・ホントだ」「なんだろう・・・それになんか声みたいなのも聞こえる」そう言って、トウマは中に入ろうとする。「ちょっとちょっとトウマ!入っちゃダメだよ!」「わかってる」「入らないでよ!私たちの大切な文化財なんだから」「煙出しのところから覗くだけだから」「そんなに身をのりだしちゃ危ないって!」「あれ?なんか平衡感覚が・・・おかしい・・・かも・・」「え・・あ、やだ・・私も・・」「りんご、手を離さないで!」目の前がぐるぐる周り始めた。公園の奥に復元された竪穴式住居の前。私たちのいる場所だけピンポイントで、空気が歪...
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