『ボイスドラマ「フライトナイト〜キャビンアテンダントと電気技師の純愛」』のカバーアート

ボイスドラマ「フライトナイト〜キャビンアテンダントと電気技師の純愛」

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このコンテンツについて

国際線CAとして働くエレナ、雷雨の夜に高浜の病院を救う夫・ベイス、そして機内で命を救った女性医師。それぞれの「おかえり」を描く心温まる物語です。飛行機のドクターコールから始まった物語は、思いがけない再会と未来への希望へとつながっていきます。高浜電工と空の仕事、それぞれのプロフェッショナルが交差する一夜。「お疲れ様」「元気だよ」——手話で交わす夫婦のサインが胸を打つストーリー【ボイスドラマ「フライトナイト」】【ペルソナ】・エレナ(妻/28歳)・・・国際線のキャビンアテンダント。高浜市在住。4勤2休のローテで働く・ベイス(夫/27歳)・・・高浜電工電気工事部所属。工場・ビルなどの受電電気設備など請け負う・スカイ(医師/60歳)・・・リタイアした医師。娘の病院を手伝うために愛知県へ<シーン1/お客様の中に・・>▪️飛行機機内のアテンションコール「お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんか?」ドラマでしか聞けないようなセリフ。まさか自分のフライトで言うことになるとは・・・私の名前はエレナ。某航空会社の国際線キャビンアテンダント。それはプーケットからセントレアへ戻る夕方の便の中だった。4勤2休の4日目。明日からは夫のベイスと過ごす2日間。セントレアへ着いたらダッシュで家に帰ろうと思ったのに。5分ほど前。『15列の妊婦さんがハイパーベンチレーションで・・』と、エコノミークラス担当の後輩が、私に声をかけてきた。ハイパーベンチレーション、というのは過呼吸のこと。私は平静を装いながら、狼狽する後輩を落ち着かせ、乗客の元へ。30代くらいの女性が口元を押さえ、苦しそうに肩で息をしている。搭乗の際、妊娠していることを申告していた女性だった。「お客様、大丈夫ですか?ゆっくり、私と一緒に息をしてください」落ち着いて声をかけたあと、機内アナウンスでドクターコール。「お客様の中に、医師の方はいらっしゃいませんか?お困りのお客様がいらっしゃいます」機内は一時騒然となった。呼びかけに応じたのは、ビジネスクラスに座る50代くらいの女性。とても上品で穏やかそうな雰囲気だ。「私は医師です。何かお役に立てることがあれば」私はお礼を言い、メディカルキットと紙袋を医師に手渡す。彼女は私の目を見て小さくうなづき、患者の元へ向かった。患者さんに対しても、穏やかな対応は変わらず、同じ目線で話をする。「もう大丈夫ですよ。落ち着いて、ゆっくり息を吸って、吐いて・・・」医師は妊婦さんに優しく話しかけ、私も隣で背中をさすりながら励ます。数分後、妊婦さんの呼吸は落ち着きを取り戻し、顔色も良くなっていった。「あのう。よろしければセントレアまでの間、私、彼女と席かわってもいいですか?」「え?」「エコノミー症候群です。ビジネスシートでゆったりくつろげば快適に飛行機から降りられますよ」私は機長に相談して了解をもらった。席の交換ではなく、空いているビジネスクラスのシートへ座ってもらう。医師の助言があればこそ。「みなさま、当機はまもなくセントレア中部国際空港に到着いたします。なお、ただいま、知多半島周辺では雷を伴う強い雨が降っております。この雷の影響により少し揺れることが予想されます。シートベルトをしめて安全な着陸にご協力ください」窓の外は厚い雲に覆われ、時折、稲妻が光っている。まあ、いろいろあったけど、今回のフライトも無事に終わりそう。気がつくと知多半島をかすめるように飛行機は旋回。セントレアのある海域へ近づいていった。<シーン2/セントレアから衣浦大橋へ・・>▪️セントレア国際線ロビーの雑踏「お疲れ様でした。引き継ぎ、お願いします」セントレアに無事着陸したけれど、私の仕事はまだ終わらない。到着口に待機していたのは空港のメディカルスタッフ。私は急病人の付き添いを引き継ぐ。フライト中の様子、発症時刻、そして機内での対応。メディカルスタッフは私から丁寧に聞き取りをする。私は、その横で付き添ってくれた医師に深々と頭を下げた。「お疲れ様でした」「先生こそ、本当...
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