『みじかい木ぺん』のカバーアート

みじかい木ぺん

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📖『みじかい木ぺん』朗読 – 雨あがりの樺の林と、灰いろの不思議な鉛筆🌳✏️

静かに語られる物語の世界へようこそ。今回お届けするのは、宮沢賢治の『みじかい木ぺん』。

キッコの村の学校では、雨がふると子供たちが教室の中で胆取りと巡査にわかれてあばれます。そのなか、いちばん前のすみの席で、霜やけで赤くふくれた手に一寸ばかりの鉛筆をにぎりしめ、キッコはひとりにかにか笑いながら、しきりに何かを書いています。それは、新学期からずっと使ってきた、おじいさんと町で買った大切な木ペンでした。けれどもその日、そのみじかい木ペンは、いつのまにかどこかへ消えてしまいます。

課業がすんで外へ出ると、雨はすっかり晴れていました。あちこちの木がみな光り、山は群青にまぶしく見えます。けれども心もちをふさいだまま樺の林を歩くキッコの前に、灰いろのぼろぼろの着物を着たおじいさんが、大へん考え込んでやって来ます。「今日学校で泣いたな」と声をかけ、頭の上で鳥がピーと鳴くなか、おじいさんがキッコの手にそっと持たせたのは、心の色も黒くない、いかにも変な灰いろの鉛筆でした。

子供たちのがやがやした声や雨だれの音が響く古めかしい教室から、雨上がりの匂いがいっぱいの樺の林へ。群青にまぶしい山、おひさまにすけて金いろにかがやく木の葉、霜やけで赤くふくれた手、灰いろの鉛筆。色と光と音にあふれた風景のなかを、ひとりの小さな子供が歩いていきます。土地の言葉でかわされる子供たちのやりとりや、短くなってもまだまだ使える一本の鉛筆に寄せられた気持ちが、村の学校での何でもない日々を、いきいきと立ちあがらせます。

そして、見知らぬおじいさんから手わたされた一本の鉛筆。それを手にしたときから、キッコの毎日は思いがけない方へと進みはじめます。詩的な言葉と幻想的な情景が織りなす、宮沢賢治の不思議な物語の世界が、ここから静かに広がっていきます。

宮沢賢治が描く、雨と光と樺の林に満ちた、ある村の風景。キッコと灰いろの鉛筆をめぐって立ち現れるこの幻想的な物語を、朗読でじっくりとお楽しみください


#いじめ #傲慢 #少年 #方言

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