さいかち淵
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📖『さいかち淵』朗読 – ぎらぎら光る河原と、川に明け暮れる夏休みの眩しい日々☀️🌊
静かに語られる物語の世界へようこそ。今回お届けするのは、宮沢賢治の『さいかち淵』。
夏のあいだ、村の子どもらは毎日のようにさいかち淵へ通います。「ぼく」と、いちばん仲のいいしゅっこも、きょうもいっしょに出かけて行きました。河原は白く焼けて、木も草も日ざしにぐったりし、淵の水だけが深くつめたく澱んでいます。そこへ、発破をかけて魚をとる大人たちがやって来ました。真先に気づいたしゅっこは、みんなを下流へさがらせて、何も知らないふりをして遊んでいろと云いつけます。やがて川の底から重い音がひびいて、淵の水がもちあがりました。
魚を囲っておいたところへ、見なれない身なりの人が通りかかります。子どもらの魚をかきまわし、そのまま浅瀬を行ったり来たりしてなかなか去らないので、木の上にならんだ子どもらは、しゅっこの合図で声をそろえて文句を云いました。その人は困ったような顔をして、崖をのぼって畑のほうへ消えてしまいます。あとには、なんだか気の毒なような、がらんとした心もちが残りました。
次の日、しゅっこは、もっといいことをして見せると云って、小さな子どもらまで残らずさそって歩きます。蝉の声のふりしきる林を抜け、匂いのむっとする河原を通って、みんなで淵へ急ぐ。東の空には雲の峰が高く湧きあがり、遠くの山がぎらぎら青く光っていました。しゅっこの手には、紙に包んだ青い石があります。それを卑怯だと思った「ぼく」は、そのさそいには乗りませんでした。
川べりは、いつもこどもらの声でいっぱいです。呼び名も、はやし立てる声も、水音と日ざしのなかに混ざって、どこまでも眩しい。日が高くなるほど石は焼けて、水はいよいよ冷たく、そのまん中には、底の知れない淵がしずかにたたえられているのです。
光る河原と、まっ青な空と、深い水。さいかち淵で過ごされた八月の二日を、朗読でじっくりとお楽しみください。
#少年 #冒険