あけがた
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📖『あけがた』朗読 – ツンツンと光る空の下、ごうごうと鳴る川を溯る🌅🌊
静かに語られる物語の世界へようこそ。今回お届けするのは、宮沢賢治の『あけがた』。
青黒く淀んだ室の中で、おれはそわそわと立ったり座ったりしている。獣医の有本と、さまざまのやつらがもやもやと混ざり合った区分キメラ。そこへ白くぴかぴかする金襴の羽織を着た霧積が入って来て、嬉しそうに笑う。今日は支那版画展覧会へ行くのだという。やがて三人ともなぜかおれの着物を笑い出して——。
ぷいと外へ出たおれは、川ばたの白い四角な家を抜けて、烈しく鳴る川のほとりに立っている。一月十五日、向岸から強くひびいて来る踊りの太鼓。ひどい洪水のあとらしい川は澄みながらも、波と波とが激しく拍って青くぎらぎらしている。空はツンツンと光り、水はごうごうと鳴る。北から落ちる支流に沿って溯ってゆくおれの目に、やがて大きな島が見える。
青黒く淀んだ室の気配と、外に出てから出会う白く冷たい空の光。着物をめぐる嘲笑と、川岸でのひとり。烈しく鳴る水の音と、向岸から響く太鼓。場面から場面への移り変わりは、夢の中の出来事のように繋がってゆきます。「いつかもう島の上に立ってゐた。どうして川を渡ったらう」——気がつけば次の風景の中に立っている語り手の感覚のままに、物語は進みます。
孔雀石の馬蹄形の淵、雑木の幹のまっしろなさるのこしかけ、青光りのさるとりいばら。室から川へ、岸から島へと移り変わる景色の中で、ひとつひとつの像が鮮やかに、けれどどこか不確かに浮かび上がります。
詩的な言葉と幻想的な情景が織りなす独白の世界。一人称で語られる景色の移ろいを、朗読でじっくりとお楽しみください。
#心象スケッチ #夢
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