『【お盆の意味】──盂蘭盆会の由来と世界に広がるお念仏のご縁』のカバーアート

【お盆の意味】──盂蘭盆会の由来と世界に広がるお念仏のご縁

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🔶盂蘭盆会の由来と目連尊者の物語お盆の正式名称は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」といい、その語源は古代インドのサンスクリット語である「ウランバーナー(ullambana)」に由来します。これには「逆さ吊りの苦しみ」という意味があります。その由来は『仏説盂蘭盆経(ぶっせつうらぼんきょう)』というお経に説かれています。お釈迦さまの弟子で、優れた神通力を持つことから「神通第一(じんづうだいいち)」と称された目連尊者(もくれんそんじゃ)が、あるとき「亡くなった母は今どこでどうしているだろうか」と自らの神通力で霊界を見渡しました。すると、母親は貪りの罪によって餓鬼道(がきどう)という苦しみの世界に落ちており、まさに逆さ吊りのような凄惨な苦しみを受けていたのです。悲しんだ目連尊者が「どうすれば母を救えますか」とお釈迦さまに乞うたところ、「夏の厳しい修行(安居)が終わる 7月15日に、多くの修行僧たちに食べ物や飲み物をお供えして深く供養しなさい。その功徳によって母親は救われるであろう」と教えられました。目連尊者がその通りにお勤めをすると、母親は無事に餓鬼道の苦しみから解き放たれたといいます。これが、私たちが今日営んでいるお盆の始まりです。🔶日本のお盆の歴史と浄土真宗の受け止め方日本におけるお盆の歴史は非常に古く、『日本書紀』には推古天皇14年(606年)にお盆の行事を行ったという記述が残されています。今からおよそ1400年以上も昔から、日本では亡き人を偲び、命のつながりを確かめる大切な行事として全国へ広がっていきました。なお、一般的にはお盆の飾り付けとして「きゅうりの馬」や「ナスの牛」(精霊馬・精霊牛)を用意する風習がありますが、浄土真宗においてはこれらを用いません。これらは日本古来の民間信仰や民俗風習が仏教行事と結びついて生まれたものです。浄土真宗では、亡くなられた方は阿弥陀さまの導きによって即座にお浄土で仏さまとなられている(往生即成仏)と受け止めるため、迷って現世に戻ってくることもなければ、移動のための乗り物を必要とすることもない、という教えの真髄に基づいているためです。🔶「7月盆」と「8月盆」──明治の改暦に隠された財政事情現在、日本には7月にお盆を行う地域(新暦盆)と、8月に行う地域(月遅れ盆・旧盆)が混在していますが、これには明治時代の「改暦」という近代化政策が大きく関係しています。もともとお盆は旧暦の7月15日に行われていましたが、明治5年、明治政府は西洋諸国と暦を合わせるために太陽暦(新暦)の導入を発表しました。これにより、明治5年12月2日の翌日が一気に「明治6年1月1日」となったのです。月の満ち欠けを基準とする旧暦(太陰太陽暦)は1年が約354日であるため、数年に一度「閏月(うるうづき)」が入って1年が13ヶ月になる年がありました。実は、当時の明治政府は極めて深刻な財政難に陥っていました。旧暦のままだと翌年に13ヶ月目が訪れ、官吏や軍人への給料を1ヶ月分多く支払わなければならなくなります。それを避けるために急遽新暦を導入し、1ヶ月分の支給を免れるという財政対策の側面がこの改暦には隠されていたのです。新暦への突然の移行により、本来の7月15日にお盆をしようとすると、農村部では最も忙しい農繁期と重なってしまい、お盆どころではなくなってしまいました。また、昔の農家にとってお盆は、普段なかなか口にできない大切な白米をいただくお祭りのような意味合いもありました。そこで、生活や農業のサイクルに配慮し、1ヶ月季節を遅らせて平穏にお勤めできるようにしたのが、現在の「8月盆(月遅れ盆)」の始まりです。🔶アメリカ日系社会へ渡った盆踊りとアイデンティティお盆の象徴である「盆踊り」は、本来は一遍(いっぺん)上人などが広めた「踊り念仏(おどりねんぶつ)」という別の宗派の文化に由来するため、日本の浄土真宗においては歴史的にあまり馴染みのないものでした。しかし興味深いことに、太平洋を渡ったアメリカやハワイの日系社会において、この盆踊り(Bon Dance)を文化として定着させ、...
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