表の顔は腕の良い仕立職人、裏の顔は達人に仕込まれた剣術で悪を成敗する「地獄への案内人」。仕立屋お竜の活躍を描く痛快時代小説開幕！

目黒不動で居酒屋を営むお夏。化粧っ気はなく毒舌で、くそ婆ァと煙たがられているが、懐かしい味のする料理は評判だ。ある日、客の一人だった遊女が殺され、お夏は静かな怒りに駆られる。

目黒行人坂にあるお夏の店は再建初日から大賑わい。母の仇討ちを果たしたお夏の裏の顔などつゆ知らず、常連が毎日店にやって来る。調子に乗った客がいればお夏の毒舌が問答無用で炸裂。

芝露月町にある評判の鰻屋「十三川」の入り婿･爽太は、事件を事件にせずにすませる一風変わった岡っ引であった。佐平次は、十五年前に大喧嘩して別れた女房にこれから会おうと江戸に戻ってきたのだが･･･　心の機微をしみじみと描き出した、江戸情趣あふれる一作。（時代小説）

剣才ある町娘と、刺繡職人を志す若侍。一途なふたりの人生が交わったとき、事件が――

松竹にてテレビ「水戸黄門」シリーズの脚本を手がけてきた、作家、脚本家の岡本さとるによるオーディオブックオリジナル書き下ろし時代小説。舞台は戦国時代、武田信玄亡き後の武田勝頼の時代。家康軍、長篠城に攻勢をかけてきた武田軍に対し、援軍を求め密偵となった鳥居強右衛門が出合った出来事とは・・・。タイトル「長篠のアヴェ・マリア」の通り驚く展開、そして重厚な戦国物語。オーディオブックでは数々の名作を出している田島令子の朗読でお楽しみください。

将軍の鷹狩りの下準備をするお鳥見役には、幕府の密偵と言う裏の役割があった。江戸郊外、雑司ヶ谷の組屋敷で暮らす矢島家は、当主が任務のため旅たち、留守宅を女房珠世が切り盛りしている。

どぶ鼠の伝次は元々はへっつい直しのこそどろ。今では世間に知られたくない秘め事を探る商売――影聞きで食い繋いでいる。その伝次、飛脚を商う「兎屋」の主人・浮世之介にお呼ばれされた。

例繰方与力の平手又兵衛は、南町奉行所内で「はぐれ」と呼ばれる変わり者。判例をすべて諳んじられる驚異の記憶力を持つが、厄介事には無関心。そんな又兵衛が奉行所へ

辻斬りで母を亡くし、上絵師の父も失意のうちに死んだ。律は、幼い弟のためにも、父の跡を継ぎ、布に家紋や絵を描く上絵師としての独り立ちを目指していた。