『嘔吐』のカバーアート

嘔吐

(小学館)

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嘔吐

著者: 小川 哲
ナレーター: 長塚 圭史
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このコンテンツについて

それは“推し”のすべてを見届けたいがゆえの愛なのか。はたまた行き過ぎた付きまといか。
すべては作家・角谷桃の熱烈ファン「麺マスター」のブログから始まった。

〈角谷桃先生の新刊『いい人そうだったのに』の発売記念イベント(&サイン会)への参加を、私が「おじさん」であることを理由に拒否されました。年齢や性別などの属性によってイベントへの参加を拒否することは、社会通念上、断じて許されないことであると思います〉

麺マスターのブログは、賛同者の共感やアンチの黒い感情を飲み込んで、うねるにうねる! ネットの書き込みだけで物語が進行する極上のオフビート小説――劇作家・長塚圭史氏が朗読を担当したことで大きな話題に。
(「GOAT」第1号掲載)

©2024 Satoshi Ogawa (P)2025 Audible, Inc.
大衆小説 現代文学
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この作品は、一風変わった語り口と構成で、現代の“推し文化”やネット社会の狂気に鋭く切り込んだ異色の小説です。
全編がネット掲示板やSNS、ブログの書き込みだけで構成されているという大胆な形式がまず面白い!物語の発端は、作家・角谷桃の熱烈なファンである「麺マスター」という中年男性のブログ。
年齢を理由にイベント参加を断られた怒りから始まる投稿が、やがて予想外の方向へとうねりながら進んでいきます。

この作品、ただの“炎上”小説なんかじゃありません。
ファン心理の闇、正義感の暴走、ネットにおける集団心理がリアルに描かれてて、読みながら(聞きながら)「うわ…こういうの、あるよね」と背筋がゾワっとする場面が続出。
でも、どこか笑えてしまう。
この“ゾッと笑える”絶妙なバランスが、小川哲さんらしいところです。

朗読を担当するのは劇作家・長塚圭史さん。
彼の落ち着いた、で、時に芝居がかった抑揚が、ネット文体の無機質な文字列に命を吹き込んでいて、これは“読む”より“聴く”のが正解なんじゃ?って思います。
ちょっとしたブログの一文すら、重みを持って迫ってくるのが耳読Audibleの醍醐味。

この作品を聴いて思ったのは、「感情をそのまま外にぶつける怖さ」と向き合えること。
発信媒体を持ってるあなた、「うわ、俺もこれ、やっちゃってるかも?」ってな感じで自分を顧みる気付きも。

無意識の偏見や正義感が他人を傷つけることもある――そんなメッセージを物語はユーモアを交えて教えてくれます。
現代のネット社会を生きる私たちに、「一歩引いて見る視点」の大切さを教えてくれる、まさに“毒のある社会派エンタメ”です。

気軽に聴けるのに、あとからじわじわ効いてくる。
そんな刺激的な1時間をぜひ体験してみてください!

ネット社会の闇を笑い飛ばせ!──“推し”と“炎上”が交錯するオフビート小説『嘔吐』

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この物語は、何かがはっきりと始まったり終わったりする種類のものではなかった。

作者は聴き手を案内するふりをしながら、実のところは深夜の無人駅に置き去りにする。けれど妙なことに、置き去りにされたことを責めたい気持ちは湧いてこない。むしろそこに立ち尽くすことそのものが贈り物のように思えてくる。あちこちに転がる寓意と皮肉、不条理と滑稽。何ひとつ回収されないまま、それでも語りのリズムだけがやけに良い。

聴き終えた後、口の中に苦味と笑いの滓が残った。

それを洗い流そうとしてもうまくいかない。むしろその残滓がこの作品の本体なのではないかとさえ思えてくる。小川哲は正しさではなく奇妙さを、説明ではなく沈黙を選びとった。そして私たちもうがいもせずに歩き出す。ほんのりと臭う哲学と気の抜けたユーモアを口に含んだまま。

嘔吐の後、口を濯がずに歩き出す

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リアルに起こった炎上を追ってるような感じがした。仄暗い気持ち悪さが面白かった。

現実にありそう

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ナレーションが上手くて、本当に非モテの中年男性の様子が出ていました。
男性に感情移入して聴いていたので、最後はなんか心がぎゅーとなりました。

最後なんとも言えない気持ちになりました

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作家とファンの関係から見た思いの伝え方や距離の取り方の難しさが書かれている。わかりやすく、イメージしやすい内容で、短編とゆうこともあり、一気に聴いてしまった。推しがいないので、このような出来事は身近ではないが、仕事の中で考えてみると、企画の伝え方、伝わり方、距離感については何か通じるものがあり、ながら聞きしていても内容に集中して、興味を持って聞くことができた。ラストのようなことは若者とかおじさんとか関係なく、作家の立場、ファンの立場でもよくあること。めげずに見る方向を切り替えて頑張ってほしい。

思いを伝えることの難しさ

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おもしろく聴いた。ありがとうございました。25/6/6聴了。。

すごく短いのに

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一途で熱狂的なファンの想いが訥々と語られているが「気持ちが悪い」とだけで済ませられないものがある。推しと自分とは全くの他人だと認められれば楽になるのに。彼には自分の人生を生きて欲しい。

長塚さんのナレーションが良いですね

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ノンフィクションなのかな?
と思い角谷桃を検索してしまうほど
リアリティがあり、
作者の筆力を感じた。

救いようのないエンディングも
評価に値する。
ここまで自分のことを
客観視出来ている手紙でさえ
直接届くことは叶わないのか、
と哀しさとやるせなさを感じた。

主人公がこう言いながら
暴徒化して犯罪者になるとか
それこそ救いようのない
展開にならなければ良いと
願うばかりである。

一人の人間を推すということを
突き詰めていって
書かれた傑作と呼べる
短編だと思う。
久し振りに良作を聴いたと
胸を張って言えるレベルの
本だと太鼓判を押せる。

一人の人間を推すということ

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主人公の熱量、文章の書き方などがとてもリアルです。
作家の方も作風やタイトル、200数ページの著作というのもすごく「ありそう」。
ラストも、その作家さんはそうするよ、と納得のもので、「すーみんのことは全て分かっている」と言外に言い続けている主人公へのカウンターに思えました。

恋を推しにすり替えた、大人になってからの恋を劣等感でこじらせた人のありそうな話

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良くも悪くも不本意に残酷な展開でした。
聞き終わった後に嘔吐をしてしまいました。

人間だからね

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