「変だな」と気づいたのは、ご婚礼からちょうど半年ほどたった時分でございました――。女嫌いの変わり者として知られる富豪・門野のもとへ嫁いだ京子。予想に反して美しい夫から寵愛を受け、天にも昇る心地を味わうも、やがてその愛情に偽りのにおいを感じ始める。門野の心変わりを疑った彼女は、書見のため夜ごと土蔵を訪れる彼の後をつけるのだが……!?2014年に生誕120年を迎える、鬼才・江戸川乱歩。推理小説、そして怪奇小説の名手として知られる乱歩の作品は、今ふたたび注目を浴びています。その数ある短編の中でも、特にファンの多い「人でなしの恋」をオーディオブック化しました。朗読するのは、清楚で儚げな佇まいと、艶のある声で人気の女優・笛木優子です。大正ロマンあふれる魅惑の“乱歩ワールド”をお楽しみください。

明智小五郎シリーズの代表作。着想や話の展開から何度も映画化されたりテレビドラマとして映像化されました。犯人の視点で事件が語られる倒叙の形式をとりますが、そこを音声でどう表現し

乱歩初期４作品のうちで、乱歩自身によると「最も好評であった」作品。偶然を重ねる事によって成立させる犯行手段、「プロバビリティーの犯罪」は海外にも誇り得る画期的なトリックとされている。

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内容紹介 名探偵・明智小五郎のファン必聴！お待ちかね！江戸川乱歩 明智小五郎シリーズのみ収録鋭い洞察力、非凡な推理力で多くの人を惹きつける、

薬屋の男が辻演説をしている。妻を殺して屍蝋にし、店先に置いてあるという。それを聴いた「私」は・・・。それは、白昼の悪夢であったか、それとも現実の出来事であったか。

我々には、知らないままで終わらせたほうが幸せなこともある。もしあなたが人生の半ばに達していなければ、この結末は認めたくないに違いない。人生の半ばを過ぎ終点が見えかけている人にとっては、深く感

乱歩の自作解説によると、｢持ち込みでもなく、他人の世話にもならず、先方からお目がねで原稿の依頼を受けたのは、これ（「夢遊病者の死」）が最初であった｣ということです。

9月初旬の、ある蒸し暑い晩のこと。私はいつもの習慣で、白梅軒というカフェで冷やしコーヒーをすすっていた。そして大通りを挟んで真向こうの古本屋…そこには美人と評判の細君がい

汽車に乗り合わせた老人は押絵を携えていた。その押絵の由来を明かす老人の口から語られた言葉は、夢か現か幻か。自作の評価に厳しい乱歩が珍しく肯定的な言葉を残した幻想的作品。

タイトルからも想像が付く通り、乱歩得意の「猟奇的」な作品です。猟奇的ではありますが、最後の最後にとんでもない仕掛け（？）が待っています。この作品の「百面相」のアイディアは、の

日本の推理小説界に燦然と輝く江戸川乱歩のデビュー作。日本最初の本格探偵小説と言われるこの作品を聴かずして推理小説を語る資格はない。「あの泥棒が羨ましい」で始まる一行は松本清張

蕗屋清一郎…

乱歩自身の言葉を紹介すると、この作品は「息休めに属する拙作」ということである。しかし、専業作家になって間もない乱歩のこの作品には、予告状を出して犯罪を行うという巧妙な手段が描かれており、誰が

病身の気弱な男・格太郎は、妻・おせいの不貞を知りながらも離縁できずにいた。そんなある日、気まぐれで息子のかくれんぼ遊びにつきあった彼は、ふとしたことから押入れの中の長持に閉じ込められてしまう。愛人との逢い引きから帰宅したおせいは、夫が長持の中で死に直面していることに気付くが……。2014年秋に生誕120年を迎え、今なお高い人気を誇る怪奇小説の名手・江戸川乱歩。彼の遺した珠玉の短編を、オーディオブックシリーズとしてふたたび現代に甦らせました。稀代の悪女を描く「お勢登場」を朗読するのは、少女のような無垢と、大人の色気を併せ持つ女優・永作博美。人の心に潜む悪魔を鮮やかに描いた傑作をお楽しみください。

多分それは…

明智小五郎が殺人犯？乱歩の小説の中で初めて登場した明智。「私」の推理が明智をぐいぐい追い詰める。理路整然と組み立てられた「私」の推理。表情を崩さず聞く明智。

ある中年男のノロケともつかない小咄、と言ってしまえばそれだけなのですが、それだけで終わらないのが江戸川乱歩。派手な殺人事件も巧妙なトリックもありませんが、じんわりと「謎解き」をしてい

「Ｄ坂の殺人事件」「心理試験」に続く、明智小五郎シリーズの三作目。暗号を解読して事件を解決していく、という手法を採用したが、乱歩にとってはまだまだ不満の残る作品だったらしい。

これは・・・、出版やオーディオブック化されていいのだろうか、という内容の作品です。現在の感覚では到底許されない事象や表現がなされています。しかし、この作品が発表された時代、大正から

この作品が書かれたのはデビュー翌年の30歳の時。乱歩の作品が本格推理小説へと移行していく過渡期の作品として興味深い。この作品は「ドッペルゲンガー」「双子」「運命」をキーワードとしたミステリー