『でっかいあいつ』のカバーアート

でっかいあいつ

南郷 芳明・短編小説

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でっかいあいつ

著者： 南郷 芳明
ナレーター： 南郷 芳明
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このコンテンツについて

 主人公は中学1年生。弁論大会の弁士に選ばれてしまった。でも、少年にはみんなに伝えたいことなど何もなかった。いや、それどころか、隠しておきたいことなら山ほどあった。でも、同じく弁士に選ばれた別のクラスのあいつはちがっていた。制服でさえ、つぎのあたったものを着ているけれど、自分のうちが貧乏だということを隠そうともしなかったし、平気だった。少なくとも、そう見えた。（株）銀の鈴社の『ものがたりの小径・いちばん・アンソロジー』に収録された短編小説を朗読。なお、このアンソロジーは令和2年度神奈川県児童福祉審議会推薦の優良図書～子どもの心へ届けたい本～に選定されている。また、第７回児童ペン賞（２０２１年度）企画賞も受賞している。©2023 南郷 芳明 大衆小説 現代文学

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実に情けない父親を持ったこと、またその結果家庭がこわれたことに、ひどく負い目を感じている主人公とはちがって、「あいつ」は、つぎ（破れたところを下から布をあててふさいだもの）のあたった制服を堂々と着こなし、自分のうちが貧乏であることをかくそうともしない。ストーリーの中で語られるからこそ、言葉は心にひびくのだろう。

心にひびく言葉

問題が発生しました。数分後にもう一度お試しください。
正直に申しますとナレーターは聞き取りにくい箇所が、いくどとなくありました。
筆者さま、ご本人だったのですね。
懸命に朗読されているのは、私個人きらいではありません。が、やはりプロの方に朗読して頂いた方が、作品のテーマを余すことなく伝えられるのでは？と、手前勝手に感じました。

短いながらも内容は素晴らしかったです。
時代背景を想像しつつ、少年の素朴さと卑小さ、小さな視点のなかで必死に取り繕う様子に共感しました。
またそれを後に筆者が、アイツの貧しいながらも昂然とした態度で弁論するさまに感慨を受け、自身と比較した想いを、正直に描写されているのに、心洗われるような読後でありました。

ぜひ斉藤範子さんで再録を！笑

問題が発生しました。数分後にもう一度お試しください。