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戦場
- ナレーター: 野口 晃
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あらすじ・解説
<内容紹介>
外科病院を開業しているポーランド生まれのドイツ医学博士。1916年の1月の末。医学博士が28歳の時、ベルリンの市役所に傭医院を勤めていた。
軍事中尉を拝命して戦線に出よとの命令で白樺の林の中に到着した。どこに運ばれていくかも見当が付かなかった医学博士は、目の前の状況に戦慄し茫然自失となっていた。
いったい自分は何というところに、何しに来ているのであろう。そんなことを考えながら寝返りを打ち夜が明けた。
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医学博士は総攻撃における死傷者の始末を手伝うためにキャンプに配属された。攻撃がはじまったらこの場所にも砲弾が飛んでこないとは限らない。新しく募集した兵卒は戦争になれていない。
そのため、死傷者が驚くべき数に達することは十分に予想されるという話だった。この話を聞かされた医学博士はブルブルと震えだした。戦地特有の神経病に早くもとらわれかけていた。
しかし、いざとなると勇気を振り起こすことができた。そして、総攻撃が始まる前日のこと。キャンプまで巡視にきた衛生隊司令官がある予告をした。
その予告に妙に気持ちが重苦しくなって、胴震いが出て、吐き気を催した医学博士。そうして、いよいよ総攻撃が始まった。
<夢野久作(ゆめの・きゅうさく)>
日本の小説家、SF作家、探偵小説家、幻想文学作家。
1889年(明治22年)1月4日 - 1936年(昭和11年)3月11日。
他の筆名に海若藍平、香倶土三鳥など。現在では、夢久、夢Qなどと呼ばれることもある。福岡県福岡市出身。日本探偵小説三大奇書の一つに数えられる畢生の奇書『ドグラ・マグラ』をはじめ、怪奇色と幻想性の色濃い作風で名高い。またホラー的な作品もある。
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