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  • 陰翳礼讃

  • 著者: 谷崎 潤一郎
  • ナレーター: 野口 晃
  • 再生時間: 1 時間 56 分
  • 4.4 out of 5 stars (43件のカスタマーレビュー)

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陰翳礼讃

著者: 谷崎 潤一郎
ナレーター: 野口 晃
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あらすじ・解説

陰翳礼讃は昭和8年に執筆された随筆で、日本の生活が西洋化し日本の美が失われていくことが書かれている。

今日、日本風の家屋を建てて住もうとすると、電気やガス、水道等が日本座敷と調和するよう取り付けに苦心を払うことになる。これは、家を建てたことがなくても、料理屋旅館等の座敷を見てみれば気がつくことである。電燈は時代おくれの乳白ガラスの浅いシェードをつけて、球をムキ出しに見せて置く方が自然で風流である。しかし扇風機などというものになると、あの音響といい形態といい、未だに日本座敷とは調和しにくい。

私は、京都や奈良の寺院へ行って、昔風のうすぐらい掃除の行き届いた厠へ案内される毎に、つくづく日本建築の有難みを感じる。日本の厠は実に精神が安まるように出来ている。それらは必ず母屋から離れていて、青葉や苔の匂いがする植え込みの陰に設けていて、うすぐらい光線の中にうずくまり、障子の反射を受けながら瞑想に耽り、窓外の庭のけしきを眺める気持は何ともいえない。住宅中で何処よりも不潔であるべき場所を、雅致のある場所に変え、花鳥風月と結び付けて、日本の建築の中で一番風流に出来ているのは厠であるともいえなくはない。西洋人は不浄扱いにし、公衆の前で口にすることをさえ忌むのに比べれば、我等の方が遙かに賢明であり、真に風雅の骨髄を得ている。

西洋人は食器などにも銀や鋼鉄やニッケル製のものを用いて、ピカピカ光る様に研みがき立てるが、われわれはああいう風に光るものを嫌う。かえって表面の光りが消えて、時代がつき、黒く焼けて来るのを喜ぶのでる。手垢の光りをわれわれは「なれ」といい、大切に保存してそのまま美化するが、西洋人は垢を根こそぎ発き立てて取り除こうとする。
大阪府箕面公園にドライブウェイを作ろうとしてみだりに森林を伐り開き、山を浅くしてしまうのを私はいささか意を強くした。奥深い山中の木の下闇さえを奪ってしまうのは、心なき業である。この調子だと、奈良でも、京都大阪の郊外でも、名所という名所は大衆的になる代りに、だんだんそういう風にして丸坊主にされるのであろう。が、要するにこれも愚痴の一種で、私にしても今の時勢の有難いことは万々承知しているし、今更何といったところで、既に日本が西洋文化の線に沿って歩み出した以上、われわれにだけ課せられた損は永久に背負って行くものと覚悟しなければならない。私がこういうことを書いた趣意は、たとえば文学芸術等にその損を補う道が残されていないかと思うからである。私は、われわれが既に失いつつある陰翳の世界を、せめて文学の領域でも呼び返してみたい。文学という殿堂の檐のきを深くし、壁を暗くし、見え過ぎるものを闇に押し込め、無用の室内装飾を剥ぎ取ってみたい。一軒ぐらいそういう家があってもよかろう。まあどういう工合になるか、試しに電燈を消してみることだ。

(c)2017 Pan Rolling

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陰翳礼讃に寄せられたリスナーの声

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  • 匿名
  • 2019/06/03

感想

小説の最初と最後に 日本的な音楽を流してますが、まったく必要ないと思います。
朗読の声が 聞き取りにくくなり
情緒を付けてる お気持ちなのでしょうが、まったく必要ないです。
今後の朗読に 音楽を流すのは やめて欲しいです。

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  • Amazon カスタマー
  • 2022/11/27

バックミュージックは要らない

バックミュージックは要らない。私には耳障りに聞こえた。内容はいいのにもったいない。

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  • ハチ
  • 2022/10/16

BGMが邪魔

他の方も書いているように、雅楽風のBGMが興醒め。これを何とも思わないセンスには谷崎氏も呆れるだろう。

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  • 2022/05/18

感情込めすぎ

バカみたいな音楽つけた奴はこの本を読んでないし、読んでもこの本に書かれているような谷崎の美学を全く理解できないはず。ナレーションは感情込めすぎ。名文がおっさんのぼやきみたいになってる。丸谷才一の方の文章読本の陰翳礼讃の評を読んでやり直してほしい。

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  • 2023/12/01

作品のイメージと違う

いかにもな和テイストのBGMと、妙な抑揚をつけた朗読(上から目線の喋り方)を聞いて、思わず「なんだこれは!」と叫んでしまった。これではまるでコント。谷崎の世界観が台無しだ。なぜこんな朗読に仕上げたのか、はなはだ理解に苦しむ

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  • Sato
  • 2023/06/12

陰翳の妖しさを瞑想して贅沢な時間を過ごせました。

四隅を照らすムダな照明は今日からなしでまいります。

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  • くま
  • 2023/01/08

こだわりおやじのぼやき節!?

建築学生なら一度は出会う名著かと思いますが、読まないままだったので、オーディブルで挑戦。落語のような軽妙な語りで、時折笑いながら聞けました。文字で読んでたらここまで楽しめたかどうか。

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  • Amazon カスタマー
  • 2022/08/13

現代にも通じる感覚と軽妙な筆致

日本文化は陰との共存を前提に成熟したものである、という要旨は高校時代の現代文の時間に学んだことがあったが、こんなにおもしろい文章だったとは!
現代にも通じる日本家屋に近代的な家電がそぐわない問題は、昭和初期からずっと続いているらしい。筆者の感性の豊かさゆえんなのかもしれないが、平成のエッセイかと思ってしまった。

現代の欧米の人々は天井の真ん中で輝く蛍光灯より、薄明るい間接照明をよく使うというが、日本でも間接照明をインテリアとして取り入れる家庭が出てきている。
日本文化の真髄と筆者が主張する陰影を伴った生活に回帰しつつあるのかもしれないなと、ふと思った。

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  • ki3co
  • 2022/06/03

本とは違う世界観

《陰影礼賛》は本で読みました。大好きな作品です。
朗読者の語り口が気になります。谷崎純一郎が私たちに語りかけている態で抑揚をつけてのナレーションだと思いますが
本の世界とは違ったもので、まぁこれはこれでありかとは思いますが、語り口が一本調子だったのが、聞きづらかった

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  • Amazon カスタマー
  • 2022/03/12

趣向は変わっても皮膚の色は変わらない

日本人や東洋人の陰翳を好む性質を皮膚の色に結びつけている視点が面白かった。

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