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  • 冗談に殺す

  • 著者: 夢野 久作
  • ナレーター: 野口 晃
  • 再生時間: 52 分
  • 3.0 out of 5 stars (3件のカスタマーレビュー)

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『冗談に殺す』のカバーアート

冗談に殺す

著者: 夢野 久作
ナレーター: 野口 晃
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あらすじ・解説

     <内容紹介>
私は「完全な犯罪」なぞいうものは空想の一種としか考えていなかった。
 

      正月の末、いつも通り十二時前後に社を出た新聞記者の私は、寒風の中に立ち止まって左右を見まわした。どこかで一杯引っかけてから、霞ヶ関の暗い坂を登って、二時きっかりに下宿に戻る習慣がついていた。
今夜はどっちへ曲がろうと考えていると、一台の泥だらけのフォードが近づいてきた。帽子を深くかぶり、黒いマスクをかけた若い運転手。私が手を振っても自動車は動かなかった。
今度は、運転手が窓に顔を近づけて、私にだけ聞こえるように「無賃ただでもいいんですが」といった。笑っている目つきを見て面を食らった私は、記事のネタになりそうだと車に乗り込んだ。
行き先も聞かずにスピードを出して、一気に数寄屋橋を渡って銀座裏へ曲り込んだ。いよいよ怪しいと思った矢先スピードを落とした運転手は帽子とマスクをとって私の方に振り返る。
 

    「新聞に書いちゃイヤヨ。ホホホホ……」
 

    私は思わず目を丸くした。その姿は、二週間前から捜索願が出ている某会社の活劇女優だったのだ。私は、ずっと前にある雑誌の猟奇座談会で彼女とたった一度同席していた。
その時、私がこころみた「殺人芸術」に関する漫談を青白い顔で聞いてたのを覚えている。
彼女は、「女優生活に飽きた」という理由でスタジオを飛び出し、東京へ逃げ込むと私の下宿近くの小さなアバラ家を借りて生活をはじめた。
その後、男のような本名の運転免状を持っているのをきっかけに運転手に化け込んでいたのだ。なぜ彼女が私を選んだのか?
 

    その心理の正体を突き止めるため、二人は秘密の生活を始める。この時の私はまだ彼女の猟奇的な一面に気づいていなかった。
 

    <夢野久作(ゆめの・きゅうさく)>
日本の小説家、SF作家、探偵小説家、幻想文学作家。
1889年(明治22年)1月4日 - 1936年(昭和11年)3月11日。
他の筆名に海若藍平、香倶土三鳥など。現在では、夢久、夢Qなどと呼ばれることもある。福岡県福岡市出身。日本探偵小説三大奇書の一つに数えられる畢生の奇書『ドグラ・マグラ』をはじめ、怪奇色と幻想性の色濃い作風で名高い。またホラー的な作品もある。    

©2018 Pan Rolling

冗談に殺すに寄せられたリスナーの声

総合評価
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ナレーション
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ストーリー
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