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  • 難船小僧(S・O・S・BOY)

  • 著者: 夢野 久作
  • ナレーター: 西村 健志
  • 再生時間: 1 時間 17 分
  • 4.5 out of 5 stars (4件のカスタマーレビュー)

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『難船小僧(S・O・S・BOY)』のカバーアート

難船小僧(S・O・S・BOY)

著者: 夢野 久作
ナレーター: 西村 健志
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あらすじ・解説

「ギャア――。ウワアッ。助けて助けて……カンニンして下サアイ。僕はこの船を降りますから……どうぞどうぞ……助けてエ助けてエッ……」

「アハハハ。どうもしねえだよ。仕事を手伝いせえすれあ、ええんだ」

「許して……許して下さあい。僕……僕は……お母さんが……姉さんが家(うち)に居るんですから……」

「ウハハハハ……云う事を聴かねえとコレだぞ」

「致します致します。何でも致します。……すぐに……すぐに船から下して下さい。殺さないで下さい」

「知ってやがったか。ワハハハハハハハ」



 昭和二年頃の十月の末だったっけ……

 足音高くブリッジに登って行った俺は、船長(おやじ)の背後でワザと足音高く立停まった。

「おはよう……」と声をかけたがは見向きもしない。何しろ船長仲間でも指折の変人だからね。何か一心に考えていたらしい。俺は右手に提げた黄色い、四角い紙包を船長の鼻の先にブラ下げてキリキリと回転さした。

「御註文のチベット紅茶です。やッと探し出したんです」

 船長(おやじ)はやっとびっくりしたらしく首を縮めた。無言のまま六尺豊かの長身をニューとこっちへ向けて紅茶を受取った。

「ウウ……機関長か……アリガト……」とプッスリ云った。コンナ時にニンガリともしないのがこの船長の特徴なんだ。取付きの悪い事なら日本一だろう。こんな男には何でも構わない。殴られたらなぐり返す覚悟でポンポン云ってしまった方が、早わかりするものだ。



……昨夜、陸で妙な話を聞いて来たんですがね。今度お雇いになったあの伊那一郎って小僧ですね。あの小僧は有名な難船小僧っていう曰く附きの代物だって、皆云ってますぜ。あの小僧が乗組んだ船はキット沈むんだそうです。乗ったら最後どんな船でも沈めるってんでね。……だから今度はこのアラスカ丸が危えってんで、大変な評判ですがね。陸の方では……





夢野久作



日本の小説家、SF作家、探偵小説家、幻想文学作家。1889年(明治22年)1月4日-1936年(昭和11年)3月11日。他の筆名に海若藍平、香倶土三鳥など。現在では、夢久、夢Qなどと呼ばれることもある。福岡県福岡市出身。日本探偵小説三大奇書の一つに数えられる畢生の奇書『ドグラ・マグラ』をはじめ、怪奇色と幻想性の色濃い作風で名高い。またホラー的な作品もある。
(c)2017 Pan Rolling

難船小僧(S・O・S・BOY)に寄せられたリスナーの声

総合評価
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ナレーション
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ストーリー
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