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おやじねこ
5つ星のうち5.0 終わらない物語
2014年4月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
化物語シリーズのテーマは主人公をはじめとするキャラクターたちが少年少女から大人になっていく物語だ。つまり、結構、古典的なジュブナイルだ。
戦場ヶ原ひたぎは蟹と決別し母との思い出に向かい合うことで一歩を踏み出し、羽川翼は猫と虎に邂逅することで自己の再統合を成し遂げた。
八九寺真宵は迷いから覚め、忍野忍は寄り添うべき相手を見出し、千石撫子はなりたいものを自覚した。
さて、そのすべてに関わった主人公、阿良々木暦はというと、未だに何者たるかを決心できずにいる。人には大きな影響を与えているのに自分自身については極端に優柔不断だ。作中でも何になりたい、何をしたいと何度も皆から尋ねられて答えに窮している。なぜ、答えに窮するのか。自由度が高すぎるからだが、自由度が高いということは決定には確固とした拠り所が必要ということだ。
何人もの人生を左右してきた阿良々木暦はそれぞれの場での自分の判断に疑問を残している。だから次ではもっときちんとした判断をしたいと思い、拠り所をもとめ、人の生き方の真理にこだわる。
変っているのは、普通は自分が生きるうえで正しい判断をしたいがために真理を求めるものなのに、彼は人のために求めている。次に人を助ける時に正しい判断ができるようにと願っている。
そのことが化物語シリーズを他の西尾作品と一線を画す傑作にしている。

本作では10月からの忍野扇とのあれこれに一区切りがつく。ぶっちゃけて言えば、花物語に扇が登場してるので途中までの展開は、おやおやと言う感じだが、ちゃんとつながる。
思えば扇の正体はばればれだった。暦の過去を深く知るという点では可能性は絞られたと言える。お釈迦様か閻魔様かそれとも、だ。だからそこに意外性はなかった。
忍野扇の行動は阿良々木暦の行動の対極にあり、しかも筋が通っている。そして常に阿良々木暦は自分の判断と行動に悩み続けている。そこに全ての始まりがある。

結局は暦が正義のためと言う曖昧さを受け入れられなかったことが始まりだ。その姿勢は真理を追求するということに通じる。いかにも青臭い。真理の追究は単なる勧善懲悪や正義の主張とは次元が違う。
意外に主人公が真理を追求するというのは斬新だ。斬新というより小説向きではない。真理なんて分かりにくいものは読者を引き付けないからだ。
読者はキャラクターの人格か物語を支持する。主人公の活躍にわくわくしヒロインに魅了される。主人公の思想に共鳴する作品は意外と少ないが、それでもあるいはその方が楽しめる。
阿良々木暦は実はそれほど活躍してはいないし、その考えるところも決して読者の共感を呼ぶものばかりではない。
でもなぜか見守りたくなる。読み続けたくなる。なぜか。

小説では正義に対立するのは他の正義とするのが定番だが、暦は一方を是として戦うことにいつも疑問を持つ。本作のラストにその思いが行動となって吹き出す。
もちろん戦いの場では理の通らない行動だが、暦の求める真理に即した行動でもある。そして最後にあの男がそのことに裏書を与える。ちょっとご都合主義かもしれないが、それでいい。これは小説なのだ。
地獄の有様もちょっとどうかと思うが、ここで閻魔大王がでてこなかったのにはほっとした。いくらなんでもそれはぶち壊しだから。

なにが真理かに悩むのは青春の証明だし、日本人は青春時代を好み尊ぶ。真理にこだわるのは青臭いが死ぬまで持ち続けたいと誰もが望む。
案外だが、多くの国では成熟して矛盾を矛盾として扱えるだけの人間的な幅が尊ばれる。だから政治や社会をテーマにした小説が支持される。
無論、日本でもそうした作品は好まれるが、その一方でこうした青春小説も幅広い年齢層に支持されている。化物語がここまで支持されるのは暦の心性が日本人の志向にぴったりと重なるからと言えよう。
ともかく、阿良々木暦の青春の物語はここに完結する。予定調和というか、ご都合主義というか、落ち着くところに落ち着いたという感じだが、それでも最後まで真理に対して真摯だった。
その姿勢こそ彼、阿良々木暦を主人公たらしめたし、読者もそれを支持した。だから青春が終わっても求めるものを変えないでほしいという読み手の願いは最後の一ページで応えられている。
続終物語が楽しみだ。

さて、ここからは蛇足。
本作では結構、本気で怖いものが登場する。まず、蛇のしっぽでのリフティング、次いで戦場ヶ原ひたぎ運転の自動車、全盛期の怪異殺し。もちろん、どれも怖がらなくても良いのだが、これまでの色々なエピソードを知っているとくるものがある。戦場ヶ原ひたぎの運転というのは異質かもしれないが、ホッチキスで神原駿河や阿良々木暦を制圧する彼女が、走る凶器を駆るというのは相当こわい。しかしそれがそうでなくなっていることが彼女が阿良々木暦の彼女たる所以であり、本作の意味もそこにあることに気付くと彼女の女らしさに感動する。
なんだ、ちゃんとヒロインじゃないか、そんな印象を受けることは間違いない。

それから、381頁の羽川翼の発言から老倉育も同じ大学の数学科を受験したことがわかる。「…おい…」と言いさしてしまうあたり、かつての完璧超人時代の羽川翼にはありえないことだが、それでも軌道修正できるのはさすがというか、やはり超人的というか。この老倉の進路からもう一つ、終物語上の382頁にある老倉の置手紙の内容も推測できる。おそらく「もう一度私も数学を勉強する。阿良々木君には絶対に負けない」ということと思われる。これもまた不遇を極めた彼女の青春の終焉なのだろう。
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Alan
5つ星のうち5.0 High Quality Product
2021年2月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
High Quality Product
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二次元世界の調教師
5つ星のうち4.0 大団円で納得の出来る終わらせ方にまとめた作者の力業に拍手
2017年12月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
  一応大団円で納得の出来る終わり方をしたように思う。恐らくこのラストを考えたのは長大なストーリーの初めからではないはずで、何とか収めた作者の力業には拍手である。いろいろ紆余曲折はあったと思われるが、とにかく書き続けて、最後は破綻なくまとまりを付けると言うのはプロの仕事だと思った。自己の青春との決別と言うのも感動的っぽい。
 ただ力技と書いたが、細部の粗は目立ち無理矢理感は拭えない。個人的に解せなかったのは扇を助けてしまうラスト。青春の終わりを表現するなら、厳しいようでも見捨てるべきだったと思うし、忍野メメを連れて帰った羽川のエピソードも、その方法や必然性に疑問符が付く。とまあツッコミ所は多々ありながらも、こう綺麗にまとめられるとやはりプロだなあと感心するのであった。
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あるる
5つ星のうち5.0 大円団
2014年4月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
<<物語>>シリーズの最終巻。
#正確にはエピローグ的(?)な「続・終物語」がまだあるけど

本書は「まよいヘル」「ひたぎランデブー」「おうぎダーク」の3部構成。
全般的にお遊び要素は少なめで、大きなのは冒頭のお約束ぐらい。
#小ネタはいろいろ挟んできますが(笑)
バトル要素はほとんどなし。
そういう意味では「化物語(上)」あたりの雰囲気に似てるかな

若干の違和感がないわけではないですが、最終的にはうまくまとめましたね。
この下巻はお話としては「暦物語」からの続きなんですが、上・中巻も大円団のために必要だったか・・・・という感じ。
#「終物語」ではなく別の物語でもよかったかなとも思いますが(汗)

さて、「続・終物語」がこの夏、楽しみに待ち余韻を楽しむとしましょうか。
#余韻どころか、大どんでん返しがあったりして(苦笑)
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くまのみ
5つ星のうち5.0 よかった
2017年1月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今までの伏線がいいー感じにでてよかった
今までの伏線がいいー感じにでてよかった
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ひでやん
5つ星のうち5.0 物語の収束
2014年4月7日に日本でレビュー済み
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作者は読者の期待通りに…更には予測を裏切るラストを!
いい仕事してますね〜!?

八九寺の噛みましたシリーズは…
見事、暦のミラクルにより神ました!へと大躍進しましたw

「正しさ」とは、「正義」とは!?
青春の終わりを告げる物語です!
怒涛の伏線回収の巻でもありました。

オイラー、悪魔様も全てはラストに向けての伏線だったのか…
もう一度、物語シリーズを読み返してみたくなりました!
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宮島 勝
5つ星のうち4.0 満足です。
2014年6月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
西尾維新の作品が好きなので購入しています。
今作も大変楽しく読ませていただきました。
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scott lafaro
5つ星のうち5.0 楽しかったです(*'ω`)
2014年4月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
楽しませて頂きました。

恒例の噛みましたシリーズでの「どんな奇跡体験を〜」って言うアリャリャ木さんの突っ込みがバッチリ伏線になってるのかもしれませんね(°Д°)
最後まで色々な意味で楽しませて頂きました。
続、終物語で完結との事ですが、様々なスピンオフを期待してしまう作品だと思います。
そして出来たら、全てをアニメ化して欲しいです╭( ・ㅂ・)و ̑̑
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